秋葉原の電気街にある、伝説の牛丼屋「サンボ」をご存じだろうか。

 

秋葉原に卸売り市場が存在していた頃からの老舗で、今年で創業45年の牛丼専門店。

 

 

けして小奇麗ではない店内は、昼時はいつも満席という人気で、それでいながら一昔前までは緊張を強いられる店でもあった。


つゆだく不可、イヤホン装着NG、質問禁止、携帯電話禁止、会話は小声で、オーダー受付はお茶が出るタイミングのみ。

 

そんな暗黙のルールが数多く存在し、店員のオバさんが客を叱り付けるのは日常茶飯事で、それらルールを守る完璧な客は、サンボマスターという称号を得られるとか?。

 

まるでうるさ型のラーメン二郎の様に、お客様は神様ではなく、食わしてやってる的な殿様商売で、秋葉原では一見客の入りにくい牛丼屋として有名だったのよ。

 

実際に15年程前だったが、近場へ工事に来ていた兄ちゃんが座るなり「あとから2人来るので牛丼三つ」と言えば、無愛想なバアさんが「うちは目の前にいる客しか注文はとらないんだよ」とご返答。

 

更に3人揃ったところで「牛丼三つをつゆだくで」と言えば「つゆだく?店間違えてんじゃない」と返し、兄ちゃんたちがブチギレして、食べずに出て行くなんてことも。

 

サンボマスターからすれば「兄ちゃんが達があまい」となるのだろうが、店のしきたりを知らない一見客ならそんなの当たり前。

 

前の職場から徒歩3分の場所ということで、当時は自分もよく通ってはいたが、この時の対応と、テーブルクロスが雑巾臭い清潔感の無さから、それ以降はすっかりご無沙汰していたのよ。

 

ところが先日、秋葉原に立ち寄った時、そういえば誰かが「昔と違って今はサンボ対応がいいよ」との話を思い出し、出先から会社へ戻る途中に立ち寄って、テイクアウトをすることに。

 

久し振りに訪れたサンボは、店内の古臭さは相変わらずも、息子に代が変わったからか、店員さんの対応は以前とは見違えるほどに変化。

 

 

お弁当を受け取り時に、まさか「大変お待たせしました」と言われるなんて、昔のサンボからすれば想像できなかったよ。

 

正直飲食店なら普通の対応だが、昔のサンボを知る立場からすれば、それだけでも神対応。

 

こうしてテイクアウトした牛丼は、途中コンビニで購入した温泉卵をトッピングして実食!

 

 

けして驚きの味ではなく、見たまま想像通りの味だけど、チェーン店にはない美味さが不思議とサンボの牛丼にはあるんだよね。

 

値上がりしたとはいえ、良心的な価格で美味しい牛丼が味わえるサンボ。

 

気になる人は、アキバへ行ったついでに一度行ってみるのは如何だろうか。

 

大丈夫、怖くないから。