子供の頃、遠足や運動会でお袋が作る弁当は、いつも決まってのり弁だった。
のり弁といっても、白身フライや磯部揚げが「ドン!」みたいなのではない。
ご飯の上はカツ節と海苔が敷き詰められた以外は何もなく、横にほうれん草のお浸し、鳥のから揚げと甘い玉子焼きが2個ずつ添えられたシンプルなスタイルで、開けると蓋に海苔が全部持って行かれるタイプ。
けしてお袋が手を抜いたわけではなく、子供の自分にはこれが大好物だった。
多分、きっとだけど、のり弁はみんな大好き。
しかも数あるメニューのなかで、どの弁当屋でも低価格帯という、正に庶民の味方でもあるのり弁。
ところがここ近年「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」と「海苔弁いちのや」といった、高級なのり弁を扱うお店が登場してきた。
そんな高級のり弁って「いったいどんな味なんだろう?」と思っていた数年前、初めて「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」を食べた時「マジに美味い」と、すっかりドハマりした。
「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」の定番メニューは、鮭と磯部揚げの存在感がたまらない「海」、中央を占拠した鳥照りの横に、ピタリと味玉がくっ付いて親子を演出している「山」、蓮根、舞茸、薩摩芋などを使った料理を仲良く並べた「畑」の三つ。
一通り食べたけど、自分の中でのマストは間違いなく「海」
他にも限定メニューの金華サバや、鮭と鳥を同時に食せる欲張りなタイプもあるけど、ここはじっくり「海」を楽しみたい。
「海」の魅力は何と言ってもメインの鮭。
上から醤油なんて必要のない、それでいながらカツ節ごはんとマッチする絶妙な塩梅の塩加減。
青のりの風味がほのかに香る竹輪の磯部揚げはやや薄味で、こちらもごはんとの相性は抜群。
玉子焼きやお浸しなどの脇役は箸休め程度の量だけど、どれも美味しく、本当丁寧な作り込みを感じるね。
そしてのり弁というだけあって、海苔とごはんの美味しさも満点。
銀座初出店時は整理券を配布するほど入手困難だったけど、今では東京、品川、新橋、上野の各駅でも購入が可能。
出張や旅行時の新幹線内で食べるのもオススメだね。
一方、本店が靖国神社前にある「海苔弁 いちのや」
こちらはメインが白身魚のフライと竹輪の磯部揚げという、正に「のり弁といったらコレ」という王道タイプ。
更に「山登り」に比べておかずも多く、味噌だれで焼き上げた鶏肉は、それだけでご飯が進む美味しさ。
米ともち麦を併せた、ごはんのもっちりとした食感もよく、どれも素材への拘りが伺えるね。
海苔が見えなくらいおかずが敷き詰められて、見た目は豪華なのり弁だけど、正直言えばご飯の上に無理やり詰め込んだ感じがあるのも確か。
味玉なんて置くスペースがなくて海苔の下に詰め込んでいるから、取り出した時の見た目なんて海苔で真っ黒で、海苔自体もおかずの影響でしなしな。
それと白身魚用のタルタルソースは別売り(50円)なんだけど、何故にキューピー?
食材に拘っているんだからタルタルも手作りにして欲しいね。て言うか少量でいいから無料で添えて欲しいです。
まあ一つ一つのおかずはどれも美味しいのは確かだし、何よりもボリュームがあるから、たくさんのおかずでお腹いっぱい食べたい人には、満足度はかなり高いのり弁だとは思うね。
ただ「いちのや」さんは、正直男性店員の接客がちょっと残念なのよ。
店主らしき強面のおじ様は、無言で客の顔をジロリと見たりしてかなり無愛想。ていうかおっかないよ。
電話予約した時の男子店員さんも酷かったね。
「5個以上は宅配OK」と公式サイトに載っていたから電話したら「はあ?宅配ですか~、それなら宅配料3,500円掛かりますよ~」といきなりタメ口口調。
宅配料なんて書いてなかったから「なら取りに行くので予約6個お願いします」と伝えたら「6個っすね、かしこまりました」と言って、名前も聞かずに切られちゃったのよ。
店に取りに言ったら案の定予約通ってないから、女性店員さんが「すぐご用意します」と慌てて対応。この時も隣の強面店主はこっちをジロっと見るだけで「すみません」もないよ。(女性店員さんはいい人だったよ)
て言うか「宅配します」とサイトに記載しておきながら、電話対応はあきらかにめんどくせえ感丸出し。
しかも配達先は店から10分圏内なのに、配達料だけで3,500は高すぎだよ。
まあ味には関係ないことだけどさ、接客業なんだからもう少し愛想や丁寧さがあってもいいと思うよ。もちろん過剰なサービスはいらないけどね。
という訳で「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」と「海苔弁いちのや」を食べ比べてみた結果、食べ進めておかずが混ざり合いう「いちのや」より、個人的には一つ一つのおかずを楽しめる「海苔弁山登り」の方が好きかな。
それと互いに意識しているのか、どちらも税込1,080円と価格は一緒。
どちらも食材にはこだわりつつも、のり弁に対するコンセプトが全然違うから、人によって好みが分かれるけどね。
豪華主義の人やお腹いっぱい食べたい人は「海苔弁いちのや」さん。
大根をゆず風味に仕上げたおしんことか、あえて焦げ目をつけた玉子焼きなど、一つ一つが丁寧に作りこまれた上品なのり弁が好きなら「海苔弁山登り」さんがオススメかな。
もちろん店員さんの対応は加味してないよ。
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