ロミと妖精たちの物語303 Ⅴ-102 愛の女神と死神と① | 「ロミと妖精たちの物語」

「ロミと妖精たちの物語」

17才の誕生日の朝、事故で瀕死の重傷を負いサイボーグとなってし
まったロミ、妖精と共にさ迷える魂を救済し活動した40年の時を経て
聖少女ロミは人間としてよみがえり、砂漠の海からアンドロメダ銀河
まで、ロミと妖精たちは時空をも超えてゆく。

 

 

「それでは、おば様、メグミさんの居場所について、何か心当たりはありますか」

 

「あなたが生まれ、マリアが亡くなると、メグミの魂は世界巡礼を始めました。世界各地の神々を訪ね、神の奇跡を手伝いました。そして12年の歳月をかけて巡り終えると、ホームとしていた大聖堂の大天使様にお別れを告げ、そのまま彼女の魂は存在を消してしまいました」

 

「分かっていることは、彼女の身体の方はあの島の洞窟で消えてしまったことだけです」

「では、八丈島から持ち帰った女神像はどうなりました?」

 

すると今度はアンドロイドの中のケージが応えた。

「あれは八ヶ岳の洞窟神殿の中で、母の幻影と共に消えてしまったのだよ」

 

「そうだった、フィニアンも見ていた筈ね、では私たちはまず、女神像を取り戻しましょう」

「でも、あの洞窟は崩れてしまったんだよロミ、いったいどうやって探すのかい?」

 

ケージの言葉は無視して、ロミはフィニアンを見た。

「えっ、まさかロミ、女神ユマーマを呼び出すのかね」

 

「そうよ、フェアリーシップに乗り込んでもらうの、万里生とユマとフィニアン、あなた達が揃えばタイムスリップを起こせるでしょ」

 

ロミはそう言って、こんどは愛の妖精を見た。

「ファンション、あなたユマーマ様にお願い出来る?」

「だいじょうぶよ、今日で太陽の祭りも終わるから、ロミのお願いなら聞いてくれるわ」

 

「万里生、今からユマーマ様を呼び出すから、フェアリーシップを準備して頂戴」

「オーケイ、ロミ姉さん、準備が出来たら合図を送るよ、マリア、一緒に行こう」

 

「フィニアン心配しないで。大丈夫よ時を超えるのは私とファンション二人の意識だけ、あなた達は八ヶ岳の上空で待機してくれればいいわ」

 

「ロミ、いったいどうする積もりだね」博士は言った。

 

「パパも心配しないでちょうだい、ケージ、あなた達の前から女神像が消えた日はいつ?」

「ああロミ、あれは2032年の10月31日、ハロウインの夜だよ」

 

ロミはオフクロ様に向き直った。

「おば様、私たちはまず、あの夜、黄金の女神像がどこへ行ったかを調べます」

 

ロミのしっかりとした口調を聞いて、オフクロ様は微笑んだ。

「まあ、理事長が言ったとおりね、まさしくあなたは神に選ばれた聖少女なのね」

 

「ミドリ、きみ達は買いかぶり過ぎだ」

「パパ、オフクロ様はあの時のミドリでは無いわ、、失礼の無いようにしてね」

 

「えっ、そうじゃないのか?」

 

オフクロ様は、少しだけ愁いを見せて博士とケージを見た。

「ケージローさん、話は少し複雑なのです」

 

あの時、ロミの母マリアと行動を共にした三人は、青山の高層ビルの屋上からユマを迎えに出発したフェアリーシップを見送った。

 

「博士、ロミたちは何処へ向かったのですか」

ケージの質問に、博士は空を見上げたまま応えた。

 

「インカの神殿にだよ、そう、あのマチュピチュにある月の神殿に向かったのだ」

 

いつの間にかオフクロ様は、ケージローとケージ二人の間に入り、それぞれの手を握りしめ、癒しのエンパシーを送りながら、宇宙空間に消えたロミと妖精たちを見送った。

 

 

次項Ⅴ-103に続く

 

 

本日はこれから山に入りますので、

明日の投稿はお休みします

 

この季節、草は伸びるし木の枝は道路にかかり

通行車両にご迷惑をかけないよう

鋸、鎌、鉈の三点セット

 

チエーンソーや草刈り機は使いません

 

草花の陰に遊んでいる妖精たちを

地面の下に隠れている生き物を

日向に飛ぶ羽虫たちを

傷つけるようなヘマは

しません、どうぞ

ご安心を

 

趣味を兼ねているので

楽しい労働です

一人でコツコツ

自然と遊びながら

 

ロミさまの活躍を練りながら

土曜日に更新しますので、

よろしくお願いします。

 

(#^.^#)

 

動画と写真はお借りしております