「それでは、おば様、メグミさんの居場所について、何か心当たりはありますか」
「あなたが生まれ、マリアが亡くなると、メグミの魂は世界巡礼を始めました。世界各地の神々を訪ね、神の奇跡を手伝いました。そして12年の歳月をかけて巡り終えると、ホームとしていた大聖堂の大天使様にお別れを告げ、そのまま彼女の魂は存在を消してしまいました」
「分かっていることは、彼女の身体の方はあの島の洞窟で消えてしまったことだけです」
「では、八丈島から持ち帰った女神像はどうなりました?」
すると今度はアンドロイドの中のケージが応えた。
「あれは八ヶ岳の洞窟神殿の中で、母の幻影と共に消えてしまったのだよ」
「そうだった、フィニアンも見ていた筈ね、では私たちはまず、女神像を取り戻しましょう」
「でも、あの洞窟は崩れてしまったんだよロミ、いったいどうやって探すのかい?」
ケージの言葉は無視して、ロミはフィニアンを見た。
「えっ、まさかロミ、女神ユマーマを呼び出すのかね」
「そうよ、フェアリーシップに乗り込んでもらうの、万里生とユマとフィニアン、あなた達が揃えばタイムスリップを起こせるでしょ」
ロミはそう言って、こんどは愛の妖精を見た。
「ファンション、あなたユマーマ様にお願い出来る?」
「だいじょうぶよ、今日で太陽の祭りも終わるから、ロミのお願いなら聞いてくれるわ」
「万里生、今からユマーマ様を呼び出すから、フェアリーシップを準備して頂戴」
「オーケイ、ロミ姉さん、準備が出来たら合図を送るよ、マリア、一緒に行こう」
「フィニアン心配しないで。大丈夫よ時を超えるのは私とファンション二人の意識だけ、あなた達は八ヶ岳の上空で待機してくれればいいわ」
「ロミ、いったいどうする積もりだね」博士は言った。
「パパも心配しないでちょうだい、ケージ、あなた達の前から女神像が消えた日はいつ?」
「ああロミ、あれは2032年の10月31日、ハロウインの夜だよ」
ロミはオフクロ様に向き直った。
「おば様、私たちはまず、あの夜、黄金の女神像がどこへ行ったかを調べます」
ロミのしっかりとした口調を聞いて、オフクロ様は微笑んだ。
「まあ、理事長が言ったとおりね、まさしくあなたは神に選ばれた聖少女なのね」
「ミドリ、きみ達は買いかぶり過ぎだ」
「パパ、オフクロ様はあの時のミドリでは無いわ、、失礼の無いようにしてね」
「えっ、そうじゃないのか?」
オフクロ様は、少しだけ愁いを見せて博士とケージを見た。
「ケージローさん、話は少し複雑なのです」
あの時、ロミの母マリアと行動を共にした三人は、青山の高層ビルの屋上からユマを迎えに出発したフェアリーシップを見送った。
「博士、ロミたちは何処へ向かったのですか」
ケージの質問に、博士は空を見上げたまま応えた。
「インカの神殿にだよ、そう、あのマチュピチュにある月の神殿に向かったのだ」
いつの間にかオフクロ様は、ケージローとケージ二人の間に入り、それぞれの手を握りしめ、癒しのエンパシーを送りながら、宇宙空間に消えたロミと妖精たちを見送った。
次項Ⅴ-103に続く
本日はこれから山に入りますので、
明日の投稿はお休みします
この季節、草は伸びるし木の枝は道路にかかり
通行車両にご迷惑をかけないよう
鋸、鎌、鉈の三点セット
チエーンソーや草刈り機は使いません
草花の陰に遊んでいる妖精たちを
地面の下に隠れている生き物を
日向に飛ぶ羽虫たちを
傷つけるようなヘマは
しません、どうぞ
ご安心を
趣味を兼ねているので
楽しい労働です
一人でコツコツ
自然と遊びながら
ロミさまの活躍を練りながら
土曜日に更新しますので、
よろしくお願いします。
(#^.^#)
動画と写真はお借りしております
