私の今年のインフルエンザについての考え
2011~2012年のシーズンのインフルエンザは、厚労省の調査では発生数は1600万人を越え、患者発生は多かったようです。新型と呼ばれた2009年の流行はH1N1だったのですが、その前の年はソ連型のH1N1でした。2009~2010年はパンデミック2009年型、2010~2011年も同じで、ソ連型が消え、それにBが加わって流行しました。そして2011~2012年は久しぶりでH3N2の香港型が流行しました。B型はビクトリア型と山形型が混在していたようです。今までのワクチンは、Bはどちらかが入っていったのですが、今後はBも2系統入れることを考えるべきだとアメリカの小児科学会雑誌(PEDIATRICS)に書かれていました。2009年パンデミック型は、昨年の北半球、その後の南半球でも少ないそうなので、今年も、昨年と同様に香港型が中心になるのではないかと予測されます。昨年から、ブタ由来のH3N2がアメリカで報告されています。最初は、ブタとの接触者とされていましたが、子どもの例でブタとの接触がない例が報告されていて、ヒトからヒトへ感染し始めると2009年のパンデミックのように広がる可能性も言われています。昨年流行規模が大きかったので、今年は、去年より少ないのではないかと願っているのですが、あたるかな?当たって欲しいと思っています。昨年の香港型とウイルスが変異をしていると流行はします。その予防はやはり、ワクチン接種による対策になります。私の居住地の埼玉では、例年、1月後半からが流行期になりますので、11月、12月で接種をすることが望まれます。発病した場合の対策は、抗インフルエンザ薬の投与になります。一昨年から、1回吸入をすると、それで有効という吸入の薬が出ました。多くの先生方が、直ぐにお使いになっているようですが、私は用いませんでした。治験の成績では、従来の薬に大きく勝っていないこと、子どもはなかなかうまく吸入が出来ないので、繰り返して飲んだり吸入をする薬のほうがよいのではないかと考えたからです。特に、大きな差はなかったようなので、今年も幼い子どもにはタミフルの散剤、大きな子にはリレンザの吸入を中心に使うつもりです。今年の対応で少し違ってきたなと思ったのは、アメリカの小児科学会が、タミフルの積極的な使用を書いていたことです。予防にも使えることも書いています。2009年のパンデミックで、日本は直ぐに使ったためにか、死亡例が非常に少なかったことが、世界で認められたという学者もいます。使うには診断が必要で、もっぱら診断キットに頼るのですが、感度、特異度の高いといわれるキットを準備したいと思います。インフルエンザで怖いのは、二次的に細菌感染を起こすことがあるのですが、予防的に抗菌薬を使うことが、予防にはならずかえって耐性菌の感染を招くともいわれますので、はじめに抗菌薬使用ではないと考えています。キチンと診察をして病状を把握し、疑わしい患者さんには検査で確認をし、状態に応じて治療をし、悪化を疑う兆候があれば再診をするということかなと考えています。