それはワクチンについて「まだよく知られていない」という現状、特に日本では正確なワクチンの情報が行き届いていない事が原因の1つかと思われます。故に医師の立場として、もっとワクチンの「正確な情報」を伝えていこうと考え、このブログを立ち上げた所存でございます。
子育て中のパパママ目線から、また医師や医療関係者目線からと、あらゆる角度から予防接種について記載していきます。それに対する皆さまからの疑問や質問、また医師、医療関係者の方からのコメントが行き交う「交流の場」となることを胸に描いてこのブログを進めていきたいと思います。
ワクチンに関係して免疫の話(1)
新型コロナウイルスの感染を予防する、感染してもサイトカインストームに至らせないそのために重要な役割を持つのがワクチンです。ワクチンを接種をすると。接種を受けた人の免疫の状態が変わります。ワクチンの効果を理化するには、少し、免疫の仕組みを知っておく必要がありますよね。もともと、免疫という言葉は、疫病を免れる~一度かかった病気にかからない~2度なしを源にして由来した言葉です。尤も、麻疹に一度かかると2度は罹らないと思ったのは多くの人では、そうであったが、一生に2度かかる人もいる、何度もかかるがかかるたびに軽くなっていく病気もあるなど、2度なしはそんなに完全ではありません。なぜ、2度かからないのかを研究し始めたのが免疫学の始まりです。天然痘という病気が、重症でヒトの生命を奪う病気であるのが、牛痘に罹った人は、天然痘に罹らないか発病しても軽いというのは、ジェンナーが種痘をあみだす数世紀前からわかっていて、わざと罹患するために病人が着用していた衣類をわざと着るなどは中国でも古くから行われていて、それがトルコあたりを経て西洋に伝わって、ジェンナーが積極的に皮膚に傷つけて植えるということにつながったのです。水痘が子どもの時期に発病すると軽い病気だけど、大人になってかかると重症になることを経験的に多くの国で知られていました。それで、子どもが水痘に罹ると近所の子どもを持つ親に連絡をしてパーティを開いてわざと罹らせるということをやっている地方は今でもあります。ドイツは水痘ワクチンの定期接種を行っているのに、オランダは行わず、水痘パーティを行っている。ドイツとオランダの国境は接している地域が広いので、水痘がオランダから流行してくるとドイツが苦情を言っていたのはそんな昔ではありません。幼いときに罹ると軽症で大人になると何故重症なのか?罹ることで、なぜそれ以後に防御的な能力が身につくのか?どうやら生まれつきに防御力を持てない異常を持った人がいて、その人はほかの人なら軽く済むはずの病気でも重症になり生命さえ失うし何度もかかる(先天性免疫不全症候群)などを経験的に知ることになり、積極的に無傷で免疫能を獲得しようとしたのが、ワクチンなのです。
新型コロナウイルス感染を考える(2)
ウイルスが増殖した細胞が死ぬというと、感染による症状はそのために起こるとお考えになる方が多いようですが、実はそれは違うのです。体がだるい、熱が出るなどの症状はヒトの体が持っている防御機能が起こすと考えられています。熱が出る、体の節々が痛むなどの炎症が起こるのもヒトの免疫系が活発に働くからである、病原体をやっつけてくれる時の副反応のようなものだと考えられています。ウイルスの成分にそのような反応を起こさせる成分があるわけではないのです。感染をした部位にあるヒトの免疫系の細胞がを感知して、変な奴が来たぞと信号を出すのです。それはサイトカイン、ケモカインと呼ばれる物質なのです。サイトカインは一つのサイトカインが必ず複数の効果を持っています。体温を上げるように働くサイトカインが今は少なくとも5つあるとわかっています。脳の視床下部という部位にあるヒトの体温調節の中枢があり、その働きでヒトは、37.5~37.8℃に体温を保つようになっていますが、その設定温度をセットポイントお言うのですが、それを上げさせるように発熱サイトカインは働きます。例えばインターロイキンー1というサイトカインがあり、子のサイトカインは発熱サイトカインの代表ですが、同時に免疫系の細胞を活性化したり獲得免疫系の活動を活発化する効果も持っています。セットポイントが例えば、39℃に上がると、体は脳の指令に従って体温上昇に働くのです。熱を失わないように皮膚の表面を流れる血管を収縮させます。手足は冷たくなり、皮膚は青ざめます。それでも、脳の指令に達しない場合には筋肉を収縮させ震わせます、そして熱を作るのです。それが悪寒戦慄と言われる状態です。体温が高い方がウイルスの増殖には不利なのです。体温が上がるのも防御反応の一つと言えます。鼻水がでるのは、これ以上病原体が入ってこないための防御反応と理解できます。症状が出なくとも、ヒトの体ではこのような変化は起こっていて、自然免疫でウイルスが排除されれば、感染していても無症状で終わるということもあり得るわけです。ところが、ウイルスが増える、全身に広がると、それも運んでいるのはヒト側なのですが、サイトカインが局所で作られ、それが全身に広がるなどが大規規模になり、ウイルス、ウイルスが増えている細胞もヒトには異物なので免疫反応が起こります。その結果でも炎症を起こすサイトカインが作られますが、それが度を越して過剰賛成されるとそのことでの反応が起こります。血液が凝固しやすくなることが起こると血管内で血が固まり、そこから先に血液が流れにくくなります。多臓器不全の原因にもなります。新型コロナ感染は、このように、単なる感染ということと、暴走というべきサイトカインの大規模の暴走を促すという二つの面があるのです。私が、感染したのは多分、9月9日から10日の学会に参加した時だと思います。11日に発病しました。発熱、寒気、倦怠感、鼻汁などはウイルスの感染に私の体が反応したからでしょう。発熱をして8時間くらいで、血液中の酸素飽和度が低下していました。咳がひどいわけでも、呼吸困難などは自覚していませんでした。私は、マスクをしないでみなとみらいのホテルから駅まで歩いているときにマスクを外していたので、大きく幾を吸いウイルスを肺まで吸い込んでいたのではないかと考えています。ACE2受容体は気管支の細胞にもあるので、そこでウイルスが増えて最初の免疫反応が起こったのだと思います。ところが、ワクチンを6回接種していて細胞免疫も含めて獲得免疫ができていて、ウイルスの増殖を抑えて、重症化しなかったのだと考えています。免疫はあっても受容体を持った細胞は露出している部位では感染は起こるのだと思います。サイトカイン暴走はサイトカインストームと言いますが、それが起こる仕組みはまだわかっていません。それを起こすことが重症になるのであり、それを予防すれば軽症で終わるということがわかっているところです。
新型コロナウイルス感染を考える(1)
現在のCOVID-19が登場するまでは、コロナウイルスは6つが知られていました。一つはサーズと言われて、中国の南の方で流行しました。もう一つはマースと言われて地中海沿岸で流行しました。あとの4つは古くから知られていて、大体,風邪(普通感冒)の15%くらいが、コロナウイルスの4つのうちのどれか一つの感染で占められていると言われています。最初の二つは、今のCOVID-19よりも死亡率も高くて、これがパンデミックになると大変でしたが、幸いに日本に上陸することはなく経過をしています。コロナウイルスは動物で感染所を起こす病原体としては有名で、獣医さんは自分たちが診療を行う動物の重要な病気で、知識は獣医さん方が豊富でした。普通感冒は時として重症になる方はおられますが、多くは軽い病気と目されていますので、ヒトのコロナウイルス感染について詳細な研究をしている学者は少ないのです。臨床医でも、普通感冒と考えると、その原因になるウイルスは多数あるのに、どれも同じように考えて,「風邪ですね」で終わってしまう医師も少なくありません。普通感冒の原因になるウイルスは、多数ありまして、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルスは一度感染しても2度かからないような免疫はできないかでき難いと教科書的には書かれていました。実際に、何度もり患します。他にエンテロウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、ヒトメタニュウモウイルス、ボカウイルス、インフルエンザも軽症であれば風邪のようにして終わります。
ウイルスは、細菌と違って細胞をもっていません。自分だけで増殖ができません。もちろん、自分で移動することもできません。
ヒトに感染をすには、ヒトの細胞にくっついて、ヒトの細胞に入り、ヒトの細胞の仕組みを利用して自分の遺伝情報とたんぱく質を作らせます。遺伝情報を載せているのはデオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)です。遺伝情報(ゲノム)としてデオキシリボ核酸をもったウイルスをDNAウイルス、リボ核酸を遺伝情報(ゲノム)を持ったウイルスをRNAウイルスと言います。DNAウイルスには、アデノウイルスやヘルペス族に入る水痘ウイルス、ヘルぺスウイルス、サイトメガロウイルス、エプシュタイン・バーウイルス(EBウイルス)、突発性発疹の原因になるヒトヘルペスウイルス6型、7型などがあります。コロナウイルスもRNAウイルスですが、麻疹、風疹、おたふくかぜ、インフルエンザ、ライノウイルス、ヒト免疫抑制ウイルス、などたくさんのウイルスがRNAウイルスです。
ウイルスがヒトに感染をするということは、ウイルスがヒトの細胞にくっついて、細胞の中に入る必要があると申しましたが、新型ころウイルスの場合には、ウイルスの表面にとげのようにとびでているスパイクタンパクという蛋白(S蛋白)がヒトの細胞にあるその蛋白と結合する受容体(レセプター)と呼ばれる蛋白で、アンギオテンシン変換酵素ー2(ACE2)であることがわかっていますが、それに結合して複雑な変化をしながらウイルスが細胞の中に入ります。ウイルスはエンベロープという薄い膜につつまれていたのですが、それから自分のRNAの情報を使って、ヒトの細胞にRNAを作らせたり、S蛋白のような蛋白を細胞のリボゾームという細胞内の装置で作らせます。作ったRNAや蛋白質をもとの構造と同じようにつくり、エンベロープで包んで細胞外に放出します。この過程は、ヒトsw実際に観察をすべてできるわけではありませんが、ウイルスが増殖できる細胞を培養して試験管内で、行う、実験動物にウイルスを感染させて行う、実際の人の感染はそれぞれに増えるウイルスの数や速度などは異なりますが、ウイルスは一つの細胞に感染すると100万倍にもなることもあると考えられています。ウイルスが感染した細胞は、ウイルスを複製したことで細胞としての機能を失い死滅する、抗体ができたり、細胞免疫と言われますがウイルスが感染した細胞を人の免疫細胞が殺すことでも死滅します。ウイルスの種類によっては細胞は死なないでウイルスを作り続けるという場合もあります。
細胞にウイルスが入り、ウイルスが作られて細胞外に出たウイルスがほかの細胞に入る。これが感染をしたということなのです。
COVID-19に罹っちゃいました
ずっと感染しないで来ていたのに、自分が罹ってしまいました。9月8~10日横浜で日本外来小児科学会が開催されました。会場はみなとみらい線みなとみらい駅下車、学会場で少し歩きます。小手指発元町中華街行きに乗ると乗り換えなしです。9日の朝、一般演題の座長を引き受けていたのと、10日にシンポジストになっていたので現地参加しました。移動中はマスクをしていたのですが,終了後会場から駅まで歩くときに地下道で一時マスクを外しました。11日夜に発熱、息子に明日は診療ができないと連絡をしたら、自宅に来てくれてPCR検査、陽性でした。酸素飽和度を測定したら下がっています。苦しくはないのですが、ウイルスの受容体は体中の細胞にあるので、深呼吸をしてウイルス交じりの空気を深く吸っていれば、最初から気道の奥の方で感染が成立しても不思議ではありません。発熱は入院して14日の午後から解熱、15日には酸素飽和度は98%以上になり、17日に退院しました。咳嗽も出ないので肺炎を起こしたのではないだろうと思いました。後遺症、Long covid19はありません。6回のワクチンのおかげでしょう。22日ウイルス抗原陰性になりましたので、22日午後から仕事始めています。抗体は途中で測定していて陽性でしたし、重症にならなかったのはその所為だと思うのですが、感染は免れ得ないと考えていたので、その通りでした。単なる風邪では酸素飽和度は落ちませんので、風邪とは異なります。免疫はT細胞依存性免疫も液性免疫も有効に働いたと思います。鎮咳剤は服用していません。解熱剤とウイルスのメッセンジャーRNAを抑える薬の服用だけでした。ますます、予防接種をお勧めすることを考えています。ぜひ、予防接種を受けて軽症化をより確実になさってください。
新型コロナウイルス感染症ってどんな感染症なのでしょうか?
私は、小児科学と内科学の教科書は可及的に新しい本を購入するようにしてきました。日本語の教科書は改版スピードが遅くて内容が新しいとは言えません。特に英語が堪能なわけではなく、むしろ苦手だと思うのですが、ネルソンの小児科学、ルドルフの小児科学を購入してきました。ルドルフは暫く改版されなくてもう終わりかなと思っていたら先年、久しぶりに改版されました。内科学はハリソンとセシルの教科書を購入しています。もう、高齢者なのでいつまで臨床医でいるかわからないので迷いましたが、2019年からの改版の本を結局は臨床を行う以上は学ぶ責任があると考えて購入しました。また、プロトキンというワクチンでは大権威と目される人のワクチンという本を2版から購入してきて、今年、最新版を購入しました。このほかにアメリカ小児科学会が出版してる本がありまして、それも購入しています。私が一番多数拝見する患者さんは、いわゆる普通感冒、英語で言うCommon Cold,日本語で言う風邪の患者さんです。先年、出版社の依頼を受けて風邪について書くときに、改めて私が医師になった1960年時代のネルソンの8版から依頼を受けたときの20版までを読み直しましたが、並べてみると明らかに記載が各版で異なっていました。まず教科書を読み、教科書に引用されている文献をいくつか読むのを習慣にしています。普通感冒として原因ウイルスの一つにコロナウイルスがあり、その総説を読みました。ウイルスは核酸が中心にあり、その周りを構造物が囲んでいますが、細胞ではなくそれ自体では、増殖をすることもできませんしウイルスそのものでは生物とは言えないモノなのです。生きた細胞にくっつくと、細胞側が取り込みます。すると、ウイルスの核酸が持っている情報を活かして自分と同じものを複製するのです。そのときに入った細胞の代謝系を利用するのです。1個のウイルスが1個の細胞に感染した時にどれくらいの数のウイルスが出来上がるのか?生体内ではわかりませんが試験管の中に培養した細胞では、新型コロナでは1個が100万個になると報告されています。感染を受けた細胞はどうなるのか、細胞自身が生きていくのを邪魔されてひたすらウイルスを複製するので細胞としては死を迎えると考えられます。ほかのウイルスでは細胞も死なないでウイルスを複製し続けるのもあるようです。また、ウイルスが感染した細胞は通常の自分の細胞とは違った変化を起こしていると、免疫系の仕組みで排除されることが起こります。この場合も細胞は死にます。ウイルスの複製は常にうまくいくかとなると、途中でうまくいかなくなりウイルス複製が完遂できない場合もあり、ウイルスが完成しなくてとどまってしまう場合もあるようです。感染した細胞のRNA通りにウイルスが出来なくてアミノ酸レベルで他のアミノ酸に入れ替わったり、合成されるたんぱく質が少し変わることもあります。そのような小さな変化を起こしたウイルスはヒトが研究室でとらえるときに変化を起こしていると変異と呼ぼれますが、それはウイルスが何かの意思をもって起こすわけではありません。結果的にウイルス複製が容易であるウイルスが出るとそれは拡散しやすくなり、結果としてそのウイルスに感受性の高い人が多いとそのウイルスはより流行するということになります。ウイルス複製の仕組みがわかると、その仕組みのある段階でその代謝経路を止めれば、あるいは他のものを作らせてウイルス複製の流れを変えることができればウイルスは複製されないことになりますので、それが抗ウイルス製剤と呼ばれます。細胞内に容易に取り込まれること、そしてウイルス複製の仕組みにのみ働き、作用としても物としても、ヒトが生きるのに不利にならないことが製剤としての条件になります。ウイルス複製の仕組みの解明が抗ウイルス製剤の作成には必要ですし、ヒトに不利な条件にならない物質であることが重要な要因であることもわかりいただけるでしょうか・
私が読んだのは2019年の初秋でした。総説には300以上の論文が引用されていました。その引用された論文一覧をみると日本人が書いた論文は極めて少なく、日本には世界に通じるコロナウイルス研究者はいないか少ないのだと思いました。東大医科学研究所の獣医さん方の論文が数編引用されていただけだったのです。また、ウイルス複製のプロセスでunknownと書かれた場所が非常に多くて、コロナウイルスにつていは不明な部分が多いのだと思いました。文末に、動物のウイルスが人に感染を起こすと人にはそのウイルスに対して感受性が高いのでパンデミックが起こる。もし今後起こるとしたらコロナウイルスによるだろうと書かれていました。コロナウイルスの研究者は次のパンデミックはコロナウイルスだと予測していたのです。この論文を読んで2019年の10月に中国の武漢で変な肺炎の患者が出て40人ほど入院したというニュースをネットで見つけました。「あっ、コロナの流行だ!」とその時に思いました。瞬く間に数は増えました。すぐに、コロナだろうというニュースも出てきました。2019年の12月末に入院した、コロナの患者さんの気道分泌物を調べたらコロナウイルスと同じ核酸の配列をしていた。サーズの核酸配列と86%高が同じで他が違う、既知の約20000のウイルスと比較したが同一のものがない、肺がんで手術して摘出した臓器から正常の人の肺の細胞を利用してウイルスを培養増殖したらウイルスがとれて、それは分泌物から直接採取したウイルスの核酸配列と同じであったという報告が論文としてNewengland Journal of medichine(NEJM)に掲載されたのは2020年の2月です。中国の武漢の研究所からで、共同研究者が役30人名前を連ねていました。ウイルスが細胞の中に入るには細胞のどこかにくっつく必要があります。それをレセプター(受容体)と言いますが、ヒトの細胞にあるアンギオテンシン変換酵素ー2というたんぱく質を受容体として、コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク(Sタンパク)がくっ付くことで感染が成立していることもわかりました。ヒトでは受容体を持った細胞は気道だけでなく全身のいろいろな臓器にありますので、ウイルスが運ばれれば全身何処でも細胞に感染がおこることがわかりました。私共の体には自分を守るために、感染がおこると異物して認めてまず自然免疫の仕組みが茶道を開始します。樹状細胞などが情報を発信します。細胞が出す活性物質という意味でサイトカインというのですが、サイトカインは多数あることがわかっていますが、必ず一つのサイトカインは複数の機能を持っています。例えばIL-1(インターロイキンワン)というサイトカインは獲得免疫に関与する細胞の動員に働くとともに、脳の体温中枢に働き体温を一定に保つその温度を上げる働きをします。体温が高い方が感染したウイルス細菌などは増殖しがたいので体温を上げるのは防御反応の一つと考えられていますので、防御反応を起こしたと理解できます。いろいろなサイトカインは自分を守るために反応すると考えられるのですが、それが必要以上に反応してしまうことがあります。コロナの感染でも肺炎が起こったり、重症になるのはサイトカインの必要以上の反応 サイトカインストーム(サイトカインの嵐)が起こったと言われていますが、感染、発熱や気道の症状、さらに重症化の症状が出るのは、ウイルスのどの成分が悪さをしているというのではなく、ヒトの側が反応した結果症状が出ているのです。過剰の反応に対して副腎皮質ホルモンデキサメサゾンや抗炎症剤と呼ばれる薬がつかわれるのです。穏やかに完了するウイルス複製とサイトカインの反応との2段階で発病していて、なぜサイトカインストームが高齢者や高度肥満、糖尿病などの罹患者に起こりやすいのかは、十分解明されていません。風邪と同じような部分はあるものの風邪とは違うことが起こりますので、新型コロナは一筋縄ではいかない病気であるのです。