ワクチンに対する「不安」・「疑問」の声をよく耳にします。
それはワクチンについて「まだよく知られていない」という現状、特に日本では正確なワクチンの情報が行き届いていない事が原因の1つかと思われます。故に医師の立場として、もっとワクチンの「正確な情報」を伝えていこうと考え、このブログを立ち上げた所存でございます。
子育て中のパパママ目線から、また医師や医療関係者目線からと、あらゆる角度から予防接種について記載していきます。それに対する皆さまからの疑問や質問、また医師、医療関係者の方からのコメントが行き交う「交流の場」となることを胸に描いてこのブログを進めていきたいと思います。
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2017年07月16日(日) 01時22分24秒

ロタウイルスワクチンについて

テーマ:+ ワクチンを考える

ロタウイルスワクチンについて

~日本でも効果が出てきているのが実感されます~

ロタウイルスワクチンが任意接種のワクチンとして導入されて久しくなります。「生後2か月でワクチンデビューを」というフレーズでの啓蒙活動が成功して、生後2か月で肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、B型肝炎ワクチン、の定期接種とともにロタウイルスワクチンを接種される方が増えて、私の施設では約80%,所沢市内でも60%の方が接種をされています。と共に、ロタウイルスによる胃腸炎の患者さんも減少しています。ワクチン接種済みの人が多くなるとワイルドのロタウイルスの伝播が起こらなくなるのでワクチン接種を受けていない人の発病もなくなるのです。最初に導入されたワクチンでは1万人に1人くらい腸重積症が発生したために中止になりました。日本ではこのワクチンは導入されていません。第二世代とも言うべきなのが、ロタテック、ロタリックスの二つのワクチンで、第一世代中止後の2006年にアメリカ、ヨーロッパで導入されました。既に定期接種として接種されている国では、入院患者の発生が90%減ったとか死亡率が下がったという実績が出ています。第一世代の中止の原因になったのは腸重積の発生が増したことだったのですが、第二世代ではワクチン接種者に10万人あたり、0.7~7人と報告されていて、これをゼロにすることが今後の課題になっています。接種開始の月齢を6週にして最終を32週にすることも提唱されていますが、日本だと生ワクチン接種後4週は全てのワクチンが接種できないという世界でのローカルルールがあるので、6週で始めると他のワクチンのスケジュールが遅れてしまいますので、日本では2か月開始で同時接種で他のワクチンもスタートするのが最も良さそうです。接種月齢を速くすることが腸重積の頻度を下げることになるのは判明しています。世界的には、ワクチンが高価であるため、ワクチンの保存に低温保存が求められているので低開発国ではこれがワクチン接種の障壁になっていて、あと3社、低価格、保存に低温を求めないワクチンがローカルには用いられているそうです。また、ウイルスが便に出てくるので、ワクチンウイルスの伝播が問題になることがあります。例えばワクチン接種を受けた子どもが入院する、新生児期に早産児等の理由で退院できない子供に入院中に接種をすると新生児病室に入院中の子どもに伝播した時の安全性が保障できないなどです。そこで、不活化ワクチンも検討されて、フェイズ1,2の実験が行われていて効果は良さそうだということです。目下のところ、ロタウイルスワクチンを有効かつ安全に接種しようとすると同時接種は重要条件になります。2か月でスタートすると、3か月では4種混合ワクチンも入るので、同時に5つのワクチンを接種することになりますが、諸外国でも本邦でも問題は生じていません。今年、医師・医療機関に配布された予防接種のガイドライン、家庭に配布された子どもの健康と予防接種の小冊子も、今までは同時接種に触れられていなかったのが、必要な場合には接種できるの意味が書かれています。私共としては、一日も早く定期接種に導入されて、全ての子どもさんがワクチンの恩恵を受けられるようになることが希望です。

 

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2017年07月12日(水) 10時52分05秒

ワクチンの基本はポリオワクチンにある?

テーマ:+ ワクチンを考える

去る2017年7月9日、彩の国予防接種推進協議会のワクチンフォーラムが開催されました。午前中は埼玉県の現状や、会の活動について話し合いましたが、午後はワクチンの御蔭で出会う機会が減った病気とワクチンについてスピーチと討論を行いました。私は、ポリオについてお話をしたのですが、ポリオの日本の歴史みたいなことを中心にして喋りました。今も、ポリオワクチンは4種混合ワクチンの中に入っています。日本では、最後の患者さんが発生してからずいぶん久しくなります。現役の医師で、国内で本物のポリオの患者さんを診療したことがある医師は極めて少ないことになります。そのような病気の予防を続けなければならないのはなぜなのかをお話ししました。1988年、世界のポリオ患者は35万人でした。2016年の患者数は3ヶ國で37人です。ポリオには、1,2,3の3つの型があるのですが、2型は既に世界から根絶されています。将に撲滅寸前です。アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリアです。患者数の減少は99%以上です。ポリオのワクチンは、ソーク博士が創ったウイルスを殺した不活化ワクチンが最初は用いられました。でも、流行を一挙に縮小させるのは、セービン博士が創った生ワクチンの方が効果が大きかったのです。そこで、生ワクチンが主流になりました。日本では1960~1961年に大きな流行を経験しました。NHKの記者であった上田哲さんがキャンペーンをはり、ときの厚生大臣の古井さんが政治的判断をして、生ワクチンをカナダから300万人分、ソ連から1000万人分を購入することを決めます。そして、1961年7月21日から1か月で日本中の6歳未満の子どもに接種されました。一斉に接種することが流行阻止には大事なのです。なんとこの年の7月までの患者発生数は過去最高、8月以降の患者発生数は過去最低になったのです。そして日本はポリオ患者発生がない国になっていったのです。ところが生ワクチンには問題がありました。それは生ワクチンを接種された人がポリオの発病をしたり、ワクチンが遺伝子変異を起こして他の人に感染したりワクチンによる患者さんがでたのです。そこで、再び、ウイルスを殺した不活化ワクチンに戻ったのです。完全に撲滅をするまでワクチンを続けないと、ウイルスが持ち込まれると再び流行国になる可能性があり、過去にもいくつか例があり、ソマリアはその例です。日本から流行国、流行国から日本へ直接、またはその国を経由して出入する人の数は増えています。流行発生を阻止するには免疫を持った人が人口の90%以上を占めていないと流行する可能性があります。そのために、まだワクチン接種は必要なのです。

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2016年10月31日(月) 14時24分12秒

インフルエンザへの対応

テーマ:+ そうだったのか!実例から学ぶ医療知識

アメリカの小児科学会がこのシーズンのインフルエンザに対しての対応を勧告しています。今年の小児科学会誌であるPediatrics10月号に17頁に亘って詳細に書いています。日本は昨年からインフルエンザワクチンはA型、B型についてそれぞれ2つ入っている4価ワクチンなのですが、一歩先に4価にしたアメリカにはまだ3価のワクチンがあるようで、それらを基本にしています。この数年、生ワクチン(日本にはない)は有効ではないので、使うべきではないとしています。日本でも個人輸入で使っている医師が居られますが、今年は極めて少ないと思います。本家で使わないというものを日本でだけ有効だとは言えないからです。理由は2009年パンデミック型のA型に効果が無いとしています。生後6か月から24か月は入院率も高くなるので、予防接種を薦めるとしています。利用者に便利をよくするために、予約の要らないwalk-in clinicを設けたり、時間外にも可能にするようにと具体的に医療機関側に勧告を出しています。また、疾病を持ったハイリスクの患者さんに関わる人も予防接種を義務だと思って受けるように勧告をしています。勿論、そのような方々の家族もです。ハイリスクの患者さんが発病した時は、速やかにリレンザやタミフル、ラピアクタなどの抗インフルエンザ薬を使うように勧告しています。周囲の流行状況や症状・所見からインフルエンザの可能性が高い時は検査で確認できない場合でも投与するように勧告をしています。リレンザは吸入ですから年齢が大きくないと使用は難しいです。タミフルは内服ですからすべての方に使うことが可能です。ラピアクタは点滴なので入院治療に用いるとされています。イナビルという1回吸入すれば経過中に再使用は不要という薬剤が日本にはありますが、ヨーロッパとアメリカはこの薬剤の治験を二重盲検法で行い有効性が無いとして治験を中断したいきさつがあるので、使用する薬物には挙げられていません。卵アレルギーにもワクチンは用いて安全だとされています。また今年は日本のインフルエンザワクチンは全てチロメサール入りなのですが、チロメサールはエチル水銀で量的に少量で排泄が速く、問題はない。自閉症になるといったこともありましたが、それは否定されています。アメリカでは同時接種が一般的なのでいくつものワクチンを接種することがありチロメサール入りのワクチンの使用を忌避していましたが、調査検討を重ねて解除しました。妊婦さんもお薦めの対象になっています。抗インフルエンザ薬の投与が予防になるので、ハイリスクの方の周囲でインフルエンザ患者が発生したら予防に使うようにも勧告をしています。日本では、本人が発病していないので健康保険の対象になりませんが予防に使うことは自費診療として認められています。でも、予防投与をもってワクチンに替えることは出来ないとも述べています。小児科医はこの勧告を読めば、非常に参考になると思います。実際の場面では、読まれた方が罹患された時はお医者さんと相談の上の対応になると思いますが、アメリカではワクチンを強く勧奨していることを医師にも患者さん側にも知って頂きたく書いてみました。

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2016年10月31日(月) 02時50分33秒

現在、不足しているワクチンがあります。

テーマ:+予防接種の実際

現在、定期接種として行われている予防接種がワクチンの不足のために希望された日時に行うことが出来なくなっているものがあります。混乱を生じているので、お気を付けください。

先ず、麻疹・風疹ワクチンです。

基本的に2回接種を受けることになっています。1歳のお誕生日から2歳のお誕生日の前までに接種を受けるというスケジュールになっています。これを1期といいます。それと就学前の1年間、その年の3月31日までに2回目の接種を受けます。これを2期といいます。今、ワクチンが品薄になっていて、医療機関で注文を出してもスムーズに納入されない状態が全国的に生じています。地方自治体がまとめて購入をする、医師会が購入するという地域では比較的、スムーズに納入されていると聞きますが、それは限られた地域です。多くの市町村では、予約をして頂いて、納入されると連絡をするという方法で行っています。今は、1期の接種を優先していますが、2歳の誕生日を超えた場合には、定期接種と認められない可能性があります。2期は、例年3月末に駆け込みで希望者が増えるのですが、足りないと3月末日までに接種を受けられないことが起こりそうです。確実に接種を受けるためには、医療機関に予約をしておくことをお勧めいたします。そうすれば、期日を超えてもワクチン不足でやむを得ないという理由が云えるので定期接種として受けられる可能性があります。

同じようなことが、日本脳炎ワクチンでも起こっています。北海道が今年度から始めたり、千葉県で、先年、1歳の子どもさんの日本脳炎患者発生があったために、従来の3歳で接種開始の方だけでなく、早くに受ける希望者が出ていることもあって需要と供給のバランスがくるっているのです。やはり、予約をして頂いておいた方が好いと思います。10月からインフルエンザのワクチン接種が始まっていますが、その際に同時接種で受けようと思っていらっしゃる方も少なくないと思います。昨年までならば、その場でも応じることが出来ていたのに、今年は無理になっています。この事情は、全国的に発生していますので、まず何時も予防接種を受けて居られる医療機関にお問い合わせをなさってみてください。10月から0歳の子どものB型肝炎ワクチンが定期接種化されましたが、このワクチンは目下支障をきたしてはいなくて、接種できています。

 

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2016年05月05日(木) 22時12分06秒

私たちはヒトパピローマウイルスワクチンの接種をお勧めいたします

テーマ:+ ワクチンを考える

17の団体がヒトパピローマウイルスワクチン接種に関する意見表明をしたこともあって、ママさんからご自分のお子様にこのワクチンを接種を受けるかどうかのご相談を受けることが多くなりました。結論からいうと、私どもはお勧めしています。マスコミの報じるように副作用のある方が次々現れているわけではありません。本当に因果関係が証明された方はいらっしゃいません。思春期の女児で、副反応と云われている類似の症状を呈した患者さんをワクチン登場前に何例も見たことがあります。結果的にドクターショッピングになりがちですが、リハビリを行いながら寄り添っていると皆さん好い経過をとられました。その発生頻度は、ワクチン接種者と非接種者での大きな差が出ているとの証明はされていません。研究班の方のコメントで日本人に発生しやすい遺伝学的特徴があるかのようなことが云われましたが、遺伝学の初歩的理解を欠いたと思われるような内容でした。世界の国々で、ワクチン接種により前癌状態と言われる病変の出現が明らかに減少していることが証明されています。前がん状態を経過してがんになることが判っている病気ですから、がんに有効だと結論付けて間違いではありません。積極的に癌を減らすにはワクチンは有用です。6年生から高校1年生のお嬢さんをお持ちのご両親は、ぜひワクチンの接種をお考えください。

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