パク・チャヌク監督の「お嬢さん」を観た!(一部再掲) | とんとん・にっき

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TUTAYAでなにか借りようと思って探していたら、この作品が目に留まりました。もちろん以前観ていたものですが、もう一度観てみようと思い、借りてきました。パク・チャヌク監督の「お嬢さん」です。

 

というのも、この映画の撮影に使われた住宅が、素晴らしい建築であり、じっくりブログに載せておきたいと思ったからです。それは、三重県桑名市にある「六華苑」で、二代目諸戸清六の邸宅として大正2年(1913年)に完成したものです。次回のブログに六華苑の画像を載せておきます。

 

以下、過去の記事を再掲します。

(文章のみ再掲、画像は全て入れ替え)

パク・チャヌク監督の「お嬢さん」を観た!

(2017年8月11日掲載)

 

韓国映画、パク・チャヌク監督の「お嬢さん」をTUTAYAで借りたDVDで観ました。先日、ナ・ホンジン監督の「哭声/コクソン」を借りたときに、横にあったのは知ってましたが、その時はもっと軽いノリの作品かと思いました。パク・チャヌク監督の作品は、2009年のソン・ガンホ主演の「渇き」をみてました。「渇き」のうたい文句は、「神父と人妻が堕ちていく、血と官能に彩られた罪深き愛の物語」とあります。

パク・チャヌク監督の「渇き」を観た!

 

「お嬢さん」の原作は、「このミステリーがすごい!2005」で1位を獲得したウェールズの作家サラ・ウォーターズの小説「荊の城」、舞台設定がヴィクトリア朝から日本統治下の韓国に置きかえています。スラム街で詐欺グループに育てられた孤児の少女・スッキ、“伯爵”と呼ばれている詐欺師、莫大な財産の相続権を持つ美しい令嬢・秀子、日本文化を崇拝する支配的な秀子の叔父・上月らの騙し合いを描いています。

  R18+指定です。


劇中での上杉邸は、「英国建築家による洋館と、和館を合わせて母屋。和洋一体の建物は日本にもない。旦那さまが日本と英国を尊敬して建築を依頼したの」と紹介されています。あれっ、洋館と和館の構成はどこかで観たような感じの構成です。すぐに思いついたのはジョサイア・コンドル設計の岩崎邸です。が、少し違う。

 

調べてみると、桑名市にある「六華苑」、二代目諸戸清六の邸宅として大正2年(1913年)に完成しました。やはりジョサイア・コンドルの設計で、コンドルが東京以外で設計した唯一の住宅建築。和洋の様式が調和した明治・大正期を代表する貴重な文化遺産であり、池泉回遊式庭園も含めて、国の重要文化財・名勝に指定されているようです。僕は「六華苑」のことは、うかつにもまったく知りませんでした。

 

 

チラシには、華麗で過激な、究極の騙し合いを描いた超衝撃作、とあります。たしかに騙し合いが二転三転、主役が脇役に、脇役が主役に、コロコロ変わります。お嬢さんを精神病院に送り込んだかと思ったら、なんとメイドのスッキが入れられてしまう。なんてのは、朝飯前。
 

お嬢様とスッキが互いに接近し、愛を交わし合う個所が、この映画の見せ場といえば見せ場です。すごいですね、ここまで描くのか、レスビアン・ラブ。決して、いやらしくない。それにしても、日本文化の浸透性、その本の壮大なコレクション、特に浮世絵春画が頻繁に出てきます。お嬢さんにエロ本を読ませて楽しんだり、なかでも北斎の「大蛸と小蛸が海女を襲う図」が水槽の蛸を背景に何度か出てきて圧巻です。ラストの指切りなどは蛇足、必要ないように思います。

 

以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。

 

見どころ:第69回カンヌ国際映画祭に出品された、サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案にしたサスペンス。日本統治下の韓国を舞台に、ある詐欺師が企てる富豪一家の財産強奪の行く末を追い掛ける。メガホンを取るのは、『オールド・ボーイ』『渇き』などの鬼才パク・チャヌク。『泣く男』などのキム・ミニ、『チェイサー』などのハ・ジョンウ、『最後まで行く』などのチョ・ジヌンらが出演。二転三転する展開や、1930年代の韓国を再現した美術や衣装に目を奪われる。

 

あらすじ:日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師たちの集団の手で育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。スラム街から彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。結婚した後に秀子を精神病院に送り込んで財産を奪う計画を進める伯爵だが……。