東京国立博物館「博物館に初もうで」ウシにひかれてトーハクまいり その2 | とんとん・にっき

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「博物館に初もうで」チラシ

 

「東京国立博物館」正面外観

 

「謹賀新年」主階段室垂れ幕

 

「博物館に初もうで」には、例年は2日に行っていましたが、コロナ禍のなか今年は出遅れて、行ったのは16日になってしまいました。
 

さて、今年は丑年です。

牛にまつわる展示がたくさん出ていました。

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章 牛にまつわる信仰史

第2章 牛と共同した暮らし

第3章 牛車と王朝の様式美

第4章 描写された牛の姿形

 

*以下の画像は順不同です。

 

もう一つの目玉

本館2階 7室 屏風と襖絵―安土桃山・江戸

伊藤若冲「松梅群鶏図屏風」

18世紀に京都で活躍した伊藤若冲は、自分の庭で飼っていた鶏をつぶさに写生し、多くの鶏図を描いたことで知られています。松や梅とともに、鶏を描いたおめでたい画題である本作でも、正面向きや後ろ向き、立ったり座ったりなど、さまざまな姿態の鶏を表情豊かに描き分けています。左隻には小さなひよこも描かれています。色彩も多少入れていますが、墨の濃淡や滲み、ぼかし、擦れといったバリエーションにとんだ表現を使い分けているのがわかります。工房作も含めての検討がなされていますが、ここでは、さまざまな鶏の表現をお楽しみください。

 

伊藤若冲「松梅群鶏図屏風」」

 

「松梅群鶏図」部分

 

「松梅群鶏図」部分

 

「焔魔天像」
南北朝時代・14世紀

 

「仏涅槃図」
室町時代・15世紀

 

円山応挙「龍唫起雲図」
江戸時代・寛政6年(1794)

 

興牧「布袋図」
室町時代・16世紀

 

本館2階 10室 浮世絵と衣装―江戸

東洲斎写楽、江戸時代・寛政7年
左:「二代目坂東三津五郎の五郎」
中:「三代目沢村宗十郎の十郎」
右:「三代目坂東彦三郎の工藤」

 

喜多川歌麿「正月の雪」江戸時代・18世紀

 

鳥高斎栄昌「正月遊」江戸時代・19世紀 

 

歌川広重
「相州江之島辨才天 開帳参詣群江戸時代」
江戸時代
 
本館1階 18室 近代の美術

浅井忠「婦人像」明治34年(1901)頃

 

浅井忠「読書」明治35年(1902)

 

下村観山、重要文化財「弱法師」大正4年(1915)

 

小林古径「阿弥陀堂」
大正4年(1915)

 

島崎柳塢「美音」明治40年(1907)

 

佐藤朝山
「シャクンタラ姫とドウシャンタ王」
大正5年(1916)

 

佐藤朝山「龍頭観音像」
昭和時代・20世紀

 

鈴木長吉、重要文化財「鷲置物」明治25年(1892)

 

ヴィンチャンツォ・ラグーザ
「日本の婦人像」明治14年(1881)

 

「博物館に初もうで」

ウシにひかれてトーハクまいり

あけましておめでとうございます。令和3年は丑年です。牛は古くから人の生活を支え続けてきた身近な存在でした。本特集展示にならぶ多彩な<描写された牛の姿形>には、そんな牛に対する人びとのさまざまな想いが反映されています。

牛に聖性をみる古代インドの信仰は、東アジアにまで広がり、ときには神の乗り物や、仏教における悟りの象徴ともみなされました。ここように<牛にまつわる信仰史>は多様ですが、その背景には、日常における<牛と共同した暮らし>がありました。力強く従順な牛は、重要な労働力として輸送や農耕に活躍していたのです。さらに平安時代には、貴族の乗り物、牛車が登場します。華やかな<牛車と王朝の様式美>は、現代にいたるまで長く憧憬の対象となりました。

なお本展のタイトルは、「牛に引かれて善光寺参り」という諺をもとにしたもの。「身近に起こった出来事に導かれて、思いがけない縁が結ばれること」のたとえです。新型ウイルス感染拡大防止のため、さまざまな対策をとらなければならない今だからこそ、展示作品との思いがけない出会いを通して、改めてトーハク(東京国立博物館)と縁を結んでいただきたい。そんな想いを込めました。本展が、今後の新たな日常を支えていく、ささやかなきっかけとなれば幸いです。

 

東京国立博物館ホームページ

東京国立博物館 - トーハク (tnm.jp)