アリーチェ・ロルヴァケル監督の「幸福なラザロ」を観た! | とんとん・にっき

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Bunkamuraル・シネマで、アリーチェ・ロルヴァケル監督の「幸福なラザロ」を観てきました。何度か予告編を見て、ナザロを呼ぶ声が耳に残ってしまい、是非とも観に行かなくちゃと思ったわけです。

 

アリーチェ・ロルヴァケル監督は、前作「夏をゆく人々」でカンヌ映画祭グランプリを受賞、本作でやはりカンヌ映画祭脚本賞を受賞の、1981年生まれのイタリア人女性監督です。

 

「幸福なナザロ」、これはなかなか難解です。ナザロはイエスの友人で、死後4日目に蘇った貧しき聖人ラザロをモデルにしているという。まさに純粋無垢という言葉が当てはまる瞳のキレイな青年ラザロは、村の人に呼ばれれば嫌な顔一つ見せずに、どこへでも飛んで行きます。

 

ラザロは、20世紀後半のイタリア、社会と隔絶した小さな村に住んでいます。そこの人々は、小作制度の廃止を隠蔽する侯爵夫人に騙され、社会と隔絶した生活を強いられていました。ところが夫人の息子タンクレディが起こした誘拐騒ぎをきっかけに、村人たちは初めて外の世界へ出て行くことになる。それから20年後、村人は流れ着いた都会で、新たな貧困に苦しんでいます。彼らの前にラザロは昔の姿で蘇ります。

 

見どころ:
第71回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したヒューマンドラマ。キリスト教の聖人ラザロとイタリアの詐欺事件から構想された物語で、無垢(むく)な青年を主人公に、孤立した地で生活する村民が外の世界に触れる様子が映し出される。監督は『夏をゆく人々』などのアリーチェ・ロルヴァケル。新人のアドリアーノ・タルディオーロ、『ハングリー・ハーツ』などのアルバ・ロルヴァケルらが出演する。
 

あらすじ:
20世紀後半のイタリア。純朴な青年ラザロ(アドリアーノ・タルディオーロ)は、社会と隔絶した小さな村に住んでいる。そこの人々は、小作制度が廃止されたことを知らずにタダ働きを強いられていた。ある日、領主の侯爵夫人(ニコレッタ・ブラスキ)の息子が誘拐騒ぎを起こし、労働搾取の実態が世に暴かれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幸福なナザロ」公式サイト

http://lazzaro.jp/about.php

 

朝日新聞:2019年4月19日