ロベール・ブレッソン監督の「スリ」(1959年 フランス)を観た! | とんとん・にっき

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ロベール・ブレッソン監督の「スリ」(1959年 フランス)を、TUTAYAで借りてDVDで観ました。一度見てよく分からなかったので、二度も借り直しまして観ました。とはいえ、内容を完全に把握したかどうかは心もとない。

 

TUTAYAの隅の方に、旧作ですが名作ばかりが集まっている棚が最近できました。そこで観たくても観られなかった旧作、「かくも長き不在」や「離愁」(この2本、ネットでかなり高額なものを手に入れましたが)、それらも置いてあるし、先日ブログに書いた「ファニー」や「質屋」もあります。その棚にあった、ブロガーの方が高評価を与えていた「スリ」を借りて観た、というわけです。

マルグリット・デュラスの「かくも長き不在」を読んだ!

シドニー・ルメット監督の「質屋」をDVDで観た!

マルセル・パニョール原作、ジョシュア・ローガン監督「ファニー」を観た!

 

話は逸れますが、「スリ」といえば、中村文則の「掏摸(スリ)」です。第4回大江健三郎賞を受賞した作品です。詳細は省きますが、あきらかにロベール・ブレッソン監督の「スリ」に影響を受けている(下敷きにしている)作品です。対談では、大江健三郎は、ドストエフスキーの晩年の作品「未成年」にも触れてますが…。

中村文則の「掏摸」を読んだ!

「第4回大江健三郎賞 大江健三郎と中村文則の公開対談」を聞く!

 

映画「スリ」の概要は、以下の通りです。

この作品は、フランスの第一回「新しい批評賞」で最優秀フランス映画賞を得た。スリの芸術的な要素が主人公の青年の内面的な動きに於いて捉えられる。内容は、あるスリが犯行と更生を繰り返し逮捕される姿を追った犯罪サスペンスである。出演者のほとんどは、プレッソン作品で見られる様に素人である。スリの演技指導を行っているのは、劇中にスリの頭目として登場する魔術師のカッサジである。脚本・台詞は、監督のブレッソン自身が書いている。撮影は『抵抗(レジスタンス)死刑囚の手記より』のレオンス・アンリ・ビュレルが担当した。撮影のロケ地はパリ市内と北駅などで行われた。
ロジャー・イーバートなどの評論家は、男の罪を女が赦す、というドストエフスキーの『罪と罰』にインスパイアされた作品という。

(「ウィキペディア」より)

 

以下、Movie Walker より

 

作品情報:

「抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より」のロベール・ブレッソン監督作。フランスの第一回“新しい批評賞”で最優秀フランス映画賞を得た。スリの芸術的な要素が、主人公の青年の内面的な動きにおいてとらえられる。脚本・台詞もブレッソン自身が書き、撮影は「抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より」のレオンス・H・ビュレルの担当。音楽はJ・B・リュリ。出演者は例によって全部しろうとでマルタン・ラサール、マリカ・グリーン、ピエール・レーマリ、ペルグリ、ピエール・エテら。製作アニー・ドルフマン。

 

あらすじ:

ロンシャン競馬場で、ミシェル(マルタン・ラサール)は前の女のバッグから金をスリ取った。彼は貧乏な学生だ。母から離れ、安アパートで暮している。生れつき手先が器用なのだ。--ミシェルはたちまち捕まった。が、証拠がなく、すぐ釈放された。母にその金を届けた時、隣室の娘ジャンヌ(マリカ・グリーン)にあった。小才のきく真面目な友人ジャック(ピエール・レーマリ)に、ミシェルは仕事の世話を頼んだ。仕事へ行く地下鉄で、スリの犯行を目撃し、ひきつけられた。練習ののち、最初の犯行は成功した。毎日つづけた。時には失敗したが。ジャックと喫茶店にいる時、じん問された警部にあった。彼はミシェルになぜか目をつけているらしかった。ミシェルは平常から抱く“盗みの哲学”を話した。--本もののスリが彼をアパートの出口で待っていた。見込まれた彼は種種の手口を教えられた。銀行の前で、最初の共同の仕事をした。駅では、三人で組んでかせいだ。ジャンヌの置手紙がきていた。母が危トクらしい。彼女はミシェルが久しぶりにあってすぐ死んだ。教会で涙がでた。--ジャンヌは不幸な娘だった。妻に去られた父と妹たちの面倒をみていた。彼女とジャックと三人で遊園地で遊んだとき、ミシェルは他人の時計が気になった。二人のいぬ間に、時計をスリ取り、追われ、傷ついて帰った。ジャックはなにかを察したようだ。立去る彼に、ジャンヌを愛しているんだろうとミシェルは浴びせた。喫茶店でジャックといたとき、また警部にあった。愛読書“スリ王”を持ってたずねてこいといった。ミシェルは待たされた。警部はスリの話をちょっとしただけだ。その間に、家宅捜査をしたらしかった。盗品は発見されていなかった。--二人のスリ仲間が捕まった。それに、ジャンヌが警察に呼ばれた。ミシェルは彼女をたずねた。彼は独居するとき母の金を盗んだのだ。母は知らずに訴え、すぐ取り下げた。それと競馬場でのスリ以来、警察は彼に目をつけていたのだ。急に出発の気分が彼を襲った。彼を愛しているジャンヌをふりきり、ミシェルはイタリアへ発った。それから英国へ渡り、二年間、スリの生活をした。彼はまた帰ってき、例のアパートの室へ立ち寄った。ジャンヌが子供とそこで暮らしていた。ジャックに捨てられたのだ。彼は更生を誓い、しばらくは真面目に働きジャンヌを助けた。が、競馬場で、警察の罠にかかり、補ってしまう。刑務所にジャンヌが面会にきた。当りちらした。が、三週間後、子供の病気がなおったあときたジャンヌと、彼は鉄格子ごしに抱きあった。

《君にあうために、どんなに廻り道をしてきたことか》。

 

 
 
 
 
 
 
「無表情に近い素人の役者たちの不機嫌な顔は、ドライな作品としての顔にもなっているが、『スリ』に登場するマリカ・グリーンの聖なる美貌は場違いなほど際立っている」と評した人がいました。
(たぴおかたぴおの「映画は見たけれど」)