現在、練馬区立美術館で「芳年 激動の時代に生きた鬼才浮世絵師」という展覧会が開催されています。もちろん、僕も観に行ってきました。
月岡芳年(1839~1892)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師です。鎖国の世から突然の文明開化を求められた動乱の時代の中、個性に満ち溢れた作品を次々と生み出し、しばしば「最後の浮世絵師」とも称されています。
歌川国芳の下で浮世絵を学んだ芳年は、さまざまなジャンルで活躍をしましたが、ここでは晩年の代表作である「月百姿」を、4回に分けて載せておきます。
「月百姿」は明治18年から、芳年の没年である明治25年にかけて制作された、全100枚からなる大判錦絵の揃いものです。平安時代や戦国時代の武将たちや美女たちを中心に、幽霊や妖怪、滑稽な戯画など、月にちなんだ物語や説話を題材としたシリーズで、版元は、日本橋区室町3丁目9番地にあった秋山武右衛門です。
「月百姿」1~25までは、
「月百姿」26~50までは、
以下、「月百姿」51~75まで
右:51「月百姿 五節の命婦」
左:52「月百姿 鳶巣山暁月 戸田半平重之」
右:53「月百姿 住よしの名月 定家卿」
左:54「月百姿 西宮夜静百花香欲捲珠簾春恨長斜抱雲和深見月朦々樹色隠照陽 王昌齢」
右:55「月百姿 名月や来て見よがしのひたい際 深見自休」
左:56「つき百姿 常にこそ曇もいとへ今宵ぞとおもふは月の光なりけり 玄以」
右:57「月百姿 読書の月 子路」
左:58「月百姿 ほととぎすなほも雲ゐに上くる哉 頼政とりあへず 弓張月のいるにまかせて」
右:59「月百姿 月明林下美人来」
左:60「つきの百姿 月宮迎 竹とり」
右:61「月百姿 五條橋の月」
左:62「月百姿 悟道の月」
右:63「月百姿 原野月 保昌」
左:64「月百姿 あまの原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出し月かも」
左:65「月百姿 堅田浦の月 斎藤内蔵介」
右:66「月百姿 志津が嶽月 秀吉」
左:67「月百姿 貞観殿月 源経基」
右:68「月百姿 南海月」
左:69「つき百姿 世尊寺の月 少将義孝
右:70「月百姿 足柄山月 義光」
左:71「月百姿 石山月」
右:72「つき百姿 宮路山の月 師長」
左:73「月百姿 玉兎 孫悟空」
右:74「つき百姿 千代能がいただく桶の底ぬけてみづたまらねば月もやどらず」
75「月百姿 おもひきや雲ゐの秋のそらならで竹あむ窓の月を見んとは 秀次」
以下、続く
芳年―「風俗三十二相」と「月百姿」―
2009年5月1日発行
編集:太田記念美術館
発行:太田記念美術館
過去の関連記事:
太田記念美術館で「芳年―『風俗三十二相』と『月百姿』―」展を観た
朝日新聞:2018年9月11日