茨城県立近代美術館で「日本芸術院会員五人展」を観た! | とんとん・にっき

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茨城県立近代美術館で「日本芸術院会員五人展」を観てきました。

芸術院会員が5人、一人20点ずつ代表作を出品、計100点、絵画あり、彫刻あり、ただただ圧倒されました。

 

茨城県立近代美術館は昨年は、改修工事のため8か月間休館していました。

 

展覧会の特徴と見どころ(ホームページによる)

 

(1)茨城県を代表する現代の巨匠の作品が一堂に! 日本芸術院は,美術,文芸,音楽など,芸術上の功績が顕著な芸術家を優遇するための栄誉機関とし て 1919(大正 8)年に帝国美術院として創設されました。以後,1937(昭和 12)年に帝国芸術院に改組, 1947(昭和 22)年に現在の名称に変更されて今に至ります。同院の会員は,会員からなる部会の推薦と総 会の承認によって選ばれ,文部科学大臣が任命します。従って,日本芸術院会員とは,芸術上の功績が 顕著であると国家に認められた芸術家であり,まさにわが国を代表する作家ということができるでしょ う。本展覧会は,茨城ゆかりの5人の日本芸術院会員に焦点を絞った当館独自の企画展であり,現代の 茨城の巨匠の作品を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。

(2)5人の作家の魅力が凝縮したダイジェスト版的内容 各作家の作品 20 点づつが出品される本展覧会では,初期から現在に至る代表作によって,5人の仕事 の全貌をダイジェスト的に振り返ることができる構成となっています。自然のままの人間の姿を実直に 見つめながら人体表現を追究する川崎普照,詩情豊かで甘美な叙情性を漂わせる蛭田二郎,生命の儚さ と力強さを夢幻の内に描き出す那波多目功一,透明感のある女性像や様々な生命体を幻想空間の中に集 積させていく山本文彦,尊い生命に思いを馳せながらみずみずしい女性像を表現する能島征二。本展覧 会を通じ,5人の芸術の粋を味わうことができます。
 
(3)郷土の偉人について知ることができる 企画展で紹介する5人の作家はもとより,同時期に開催する所蔵作品展では「歴代巨匠を振り返る 茨 城ゆかりの芸術院会員たち」と題し,日本画では横山大観,浦田正夫,加倉井和夫,油彩画では辻永, 服部正一郎,森田茂,水彩画の小堀進,彫刻の小森邦夫などの作品を選りすぐって展示いたします。当 館の全ての展示室において,郷土の偉人や,茨城を基盤に花開いた豊かな芸術文化について知ることが できる好機となっております。夏休みの自由研究などにご活用いただければ幸いです。
 
(4)作家から制作秘話が聞けるトークイベントを開催 会期中5回に分けて,出品作家によるトークイベントを開催します。作品に対するそれぞれの思いや 制作の背景にあるものなど,普段なかなか聞くことのできないお話をご本人から伺うことができる貴重 な機会です。ぜひお聞き逃しなく。

 

川崎普照

1931年 東京都北区生まれ(東京都在住) ※両親が茨城県出身

1959年 太平洋美術学校入学
1960年 日彫展初入選(奨励賞,以後日彫賞等受賞4回,98年理事,2006年理事長)
1961年 日展初入選(64年特選,69年会員,86年評議員,93年内閣総理大臣賞,98年理事,2005年常務理事)
1962年 太平洋展初入選(奨励賞,以後文部大臣奨励賞等受賞4回)
1989年 北彫展結成
1995年 東京都北区区民文化賞
1998年 日本芸術院賞
2004年 日本芸術院会員
2006年 茨城県特別功績者
2007年 旭日中綬章

 

「明日」昭和52年(1977)

 

「春愁」昭和61年(1986)

 

「曙光」平成4年(1992)

 

「寛ぎ」平成18年(2006)

 

那波多目功一

1933年 現・ひたちなか市生まれ(東京都在住)

1950年 再興院展初入選(84・86・90年日本美術院賞,90年同人,95年文部大臣賞,99年内閣総理大臣賞,2000年評議員,06年理事,16年代表理事)
1951年 日展初入選
1952年 茨城県立那珂湊第一高等学校を卒業
2000年 日本芸術院賞
2002年 日本芸術院会員
2005年 茨城県特別功績者
2008年 旭日中綬章

 

「座す」昭和50年(1975)

 

「せせらぎ」昭和62年(1987)

 

「昇陽(ディアナ神殿)」平成18年(2006)

 

「北城の春」平成20年(2008)

 

蛭田二郎

1933年 現・北茨城市生まれ(岡山市在住)

1958年 茨城大学教育学部卒業
 〃  日彫展初入選(63年会員,2004年理事,08年理事長)
1965年 日展初入選(66・67年特選,68年菊華賞,70年会員,90年評議員,96年文部大臣賞,2002年理事,06年常務理事,13年顧問)
1972年 岡山大学教育学部講師(73年助教授,77年教授,95年名誉教授)
1995年 倉敷芸術科学大学芸術学部長(2004年名誉教授)
2002年 日本芸術院賞受賞
2005年 日本芸術院会員
2015年 茨城県特別功績者

 

「告知'93」'平成5年(1993)

 

「St.Mary Magdalen」平成10年(1998)

 

「告知―2001―」平成13年(2001)

 

「木莬トルソ」平成14年(2002)

 

山本文彦

1937年 東京都生まれ(牛久市在住)

1958年 二紀展初入選(75年宮本賞,76年文部大臣賞,77年委員,81年内閣総理大臣賞,82年理事,87年常任理事,92年宮本三郎記念賞)
1961年 東京教育大学教育学専攻科芸術専攻修了
1965年 山口大学教育学部講師(69年助教授 ※73年まで)
1968年 西日本新聞社主催西日本美術展特別賞,ヨーロッパ研修旅行
1971年 安井賞展安井賞
1977年 筑波大学芸術学系助教授(85年教授,87年大学院修士課程芸術研究科長,95年芸術学系長,2000年名誉教授,11年客員教授)
2010年 恩賜賞・日本芸術院賞
2010年 日本芸術院会員
2011年 茨城県特別功績者

 

「語りⅠ」昭和45年(1970)

 

「叢岩」平成3年(1991)

 

「ソフィア」平成13年(2001)

 

「樹草」平成17年(2005)

 

能島征二

1941年 東京都台東区生まれ(水戸市在住)

1962年 日彫展初入選(65年会員,2000年委員長代行,02年監事,06年理事・委員長,07年常務理事,10年理事長,現在常務理事)
 〃   日展初入選(69・71年特選,79年会員,90年会員賞,94年評議員,2000年文部大臣賞,05年理事,07年常務理事,14年副理事長)
1998年 茨城県美術展覧会会長
2002年 茨城県文化芸術功労者
2005年 日本芸術院賞
2006年 日本芸術院会員
2007年 茨城県特別功績者
2008年 水戸市文化栄誉賞

 

「夜明け」平成10年(1998)

 

「創世記―2002―」平成14年(2002)

 

「祈り」平成23年(2011)

 

「エルピス(希望)」平成27年(2015)

 

開館30周年記念

茨城近代美術の精華Ⅱ

「日本芸術院会員五人展」

明治以降の日本近代美術史の中で、茨城県は日本画家の横山大観、洋画家の中村彝をはじめ、各分野にわたって多くの優れた芸術家を輩出してきました。本県の美術の隆盛は今なお連綿と続いており、今後もさらに進展していくことが望まれています。
こうした視点に立って開催する本展覧会は、平成4年度の「日本芸術院会員による茨城近代美術の精華 今日の栄光展」の第2弾として、本県にゆかりがあり、現在日本芸術院会員として活躍する川崎普照(彫刻)、蛭田二郎(彫刻)、那波多目功一(日本画)、山本文彦(洋画)、能島征二(彫刻)を取り上げ、代表作を中心にそれぞれ20点、全101点の作品を一堂に展観します。美術界を第一線で牽引する作家5人の、個性豊かで創造性あふれる芸術の魅力を心ゆくまでお楽しみください。

 

「茨城県立近代美術館」ホームページ

 

茨城近代美術の精華Ⅱ

日本芸術院会員五人展

図録

編集・発行:茨城県近代美術館