見田宗介の「現代社会はどこに向かうのか―高原の見晴らしを切り開くこと」を読んだ! | とんとん・にっき

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見田宗介の「現代社会はどこに向かうのか―高原の見晴らしを切り開くこと」(岩波新書:2018年6月20日第1刷発行)を読みました。

 

最初、この本の「はじめに」を何度か読みましたが、さっぱり頭に入ってきませんでした。しかし、思い切って本文を読み始めると、案に相違して、もちろん難しい箇所も多々ありましたが、なんとか読み進めることができました。

 

ということで、見田宗介の過去の書物、「社会学入門―人間と社会の未来―」も、早速アマゾンに注文し、先日届きました。この本を読み終わると次の日の朝、齋藤純一さんの「生の充実への感性 必然の展開」と題した書評が載りました。下に載せておきます。

 

本のカバーには、以下のようにあります。

曲がり角に立つ現代社会は,そして人間の精神は,今後どのような方向に向かうだろうか.私たちはこの後の時代の見晴らしを,どのように切り開くことができるだろうか.斬新な理論構築と,新たなデータに基づく徹底した分析のもとに,巨大な問いに改めて正面から応答する.前著から約十年,いま,新しい時代を告げる.

 

目次

はじめに
序章 現代社会はどこに向かうか――高原の見晴らしを切り開くこと
 1 未来の消失? 現代の矛盾
 2 生命曲線/歴史曲線.「現代」とはどういう時代か
 3 グローバル・システムの危機.あるいは球の幾何学――情報化/消費化社会の臨界
 4 世界の無限/世界の有限.軸の時代Ⅰ/軸の時代Ⅱ
 5 高原の見晴らしを切り開くこと
一章 脱高度成長期の精神変容――近代の矛盾の「解凍」
 1 脱高度成長期の精神変容.データと方法
 2 「近代家族」のシステム解体
 3 経済成長課題の完了.「保守化」
 4 魔術の再生.近代合理主義の外部に向かう触手たち
 5 〈自由〉〈平等〉対〈合理性〉.合理化圧力の解除,あるいは減圧
 6 近代の理念と原則の矛盾.封印と「解凍」.高原展望
 補1 合理性,非合理性,メタ合理性
 補2 生活スタイル,ファッション,消費行動――「選ばれた者」から「選ぶ者」へ
二章 ヨーロッパとアメリカの青年の変化
 1 ヨーロッパ価値観調査/世界価値観調査.データと方法
 2 幸福の高原と波乱
 3 「脱物質主義」
 4 共存の地平の模索
 5 共存の環としての仕事
 補 〈単純な至福〉
三章 ダニエルの問いの円環――歴史の二つの曲がり角
四章 生きるリアリティの解体と再生
五章 ロジスティック曲線について
 1 グローバリゼーションという前提――人間にとってのロジスティック曲線1
 2 一個体当たり資源消費量,環境破壊量の増大による加速化――人間にとってのロジスティック曲線2
 3 テ クノロジーによる環境容量の変更.弾力帯.「リスク社会」化.不可能性と不必要性――人間にとってのロジスティック曲線3
六章 高原の見晴らしを切り開くこと
 1 総理の不幸
 2 フリュギアの王
 3 三千年の夢と朝の光景
 補 欲望の相乗性
補章 世界を変える二つの方法
 1 ベルリンの壁.自由と魅力性による勝利.
 2 二〇世紀型革命の破綻から何を学ぶか.卵を内側から破る.
 3 胚芽をつくる.肯定する革命 positive radicalism.
 4 連鎖反応という力.一華開いて世界起こる.
あとがき
 
見田宗介(みたむねすけ):
1937年東京に生まれる
現在―東京大学名誉教授
専攻―現代社会論,比較社会学,文化の社会学
著書―『時間の比較社会学』*(岩波現代文庫)/『宮沢賢治――存在の祭りの中へ』(岩波現代文庫)/『旅のノートから』*(岩波書店)/『現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来』(岩波新書)/『社会学入門―人間と社会の未来』(岩波新書)/『定本 見田宗介著作集』(全10 巻,岩波書店)/『定本 真木悠介著作集』*(全4 巻,岩波書店)
(*印は,真木悠介の筆名)
編集―『社会学事典』(共編)(弘文堂)/『岩波講座 現代社会学』(共編)(岩波書店)

 

朝日新聞:2018年9月1日