ジョエル・ホプキンス監督の「ロンドン、人生はじめます」を観た! | とんとん・にっき

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ジョエル・ホプキンス監督の「ロンドン、人生はじめます」を観てきました。

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」に続き、ダイアン・キートンが主役です。またまたチャーミングなヒロインを演じています。ダイアン・キートン、「ゴッドファーザー」はPartI、Ⅱ、Ⅲと、全部出ていますね。1977年、ウッディ・アレン監督の「アニー・ホール」ではアカデミー主演女優賞を受賞、同じ年に、美しい女教師が麻薬とセックスに溺れ、やがて身を滅ぼしていく様を描いた「ミスターグッドバーを探せ」がありました。僕はこちらの方が印象が強い。

ダイアン・キートン、1946年1月5日生まれ、72歳ですよ。やはり顔のアップはやや老けて見えますが、そのファッション感覚がダイアン・キートンらしくカッコいいんだ、素晴らしい。高くて買えなかったグレーのベレー帽、ドナルドに初めて逢いに行くときに、ついつい買っちゃいましたよ。これがなよく似合ってるんだな。チラシには「暮らしも、お金も、恋も、自分らしく」とあります。

自分は高級マンションに住んでいながら、亡くなった夫の借金のこと、どんどん減っていく蓄えのこと、そして、うわべばかりのご近所付き合い、などなど。エミリーは、なかなか自分らしく生きられない。一方、自然の中で、手作りの小屋で、庭でのディナー、気ままな読書、など、自由気ままに暮らすドナルド。エミリーが屋根裏部屋から双眼鏡で外を眺めていると、沼で水浴びしているドナルドを発見。まさに対照的に、余計なものをもたず、手作りの暮らしで幸福なドナルドに、エミリーは惹かれていきます。

映画の原題は「ハムステッド」です。この町の最大の公園ハムステッド・ヒースと、高級住宅地で知られるこの土地の様々な人生模様が描かれています。それを映し出すのは、ダイアン・キートン演じるエミリー、アメリカから来てハムステッドに住む人間です。つまり自分はどこのコミュニティにも属さない、アメリカ人の目から見たロンドン、ハムステッドです。

物語は、ドナルドの住む手作りの小屋の立ち退き要求が役所からあり、裁判で争うことになります。ロンドンの高級住宅地ハムステッドの国立公園で暮らしていたホームレスの男性が周囲に助けられ、裁判に勝ち、計らずもその場所の所有権を手にしてしまい、一夜にして資産家になったという実話を基にしたのが、この映画です。

ただ、ラストがちょっとどうかなと、僕は思いました。エミリーも郊外へ引っ越し独り暮らしを始めます。ドナルドが土地を売って、船を購入して船上生活になるというあたり、人によっては賛否両論があるかと思います。デブチンのブレンダン・グリーソンが自然体でいい。二人で大英博物館へ行ったりして、年齢は関係ない、大人の幸せ探し、といったところでしょうか。

以下、シネマトゥデイによる。

見どころ:イギリスに実在する元ホームレスの男性の体験をベースにしたドラマ。夫を亡くした女性が、自然に囲まれながら自由に生きる男性と心を通わせる姿を描く。メガホンを取るのは『新しい人生のはじめかた』などのジョエル・ホプキンス。『恋愛適齢期』などのダイアン・キートン、『未来を花束にして』などのブレンダン・グリーソン、ドラマシリーズ「グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース」などのジェームズ・ノートンらが出演する。

あらすじ:エミリー(ダイアン・キートン)は、夫がこの世を去ってからわかった浮気と借金、本音で付き合えない近所の人間関係、目減りする貯蓄にうんざりしている。ある日、屋根裏部屋から双眼鏡で外を観察していると、自然に囲まれた小さな家で暮らしているドナルド(ブレンダン・グリーソン)の姿を発見する。彼は余計なものを所有せず、気ままに本を読み、森でピクニックをして、庭でディナーを楽しむ自由で優雅な生活をしていた。やがて彼女は、頑固ながらも温かいドナルドの人柄に惹(ひ)かれていくが……。







「ロンドン、人生はじめます」公式サイト

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