ニコール・ガルシア監督の「愛を綴る女」を観た! | とんとん・にっき

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見逃していたニコール・ガルシア監督の「愛を綴る女」を、TUTAYAで借りたDVDで観ました。見逃したとはいえ、映画の内容まで知っていたわけではなく、単に予定がつかなかっただけのことです。

ニコール・ガルシア監督、1946年生まれ、「愛と哀しみのボレロ」が代表作の女優で、これは名作です。「愛を綴る女」では監督を務めています。女性監督だったんですね。後で知りました。マリオン・コティヤール、繋がって意識したことはなかったのですが、「エヴァの告白」「エディット・ピアフ 愛の讃歌」「サンドラの週末」など、観ていましたね。

最初からイチャモンをつけると、「愛を綴る女」というタイトル、映画で「愛を読む人」とか「愛を描く人」とか、「愛を(の)・・・」はよくあり、何となく薄っぺらな、イージーな感じがしてしまいます。この映画も、恋人に向かった手紙を書き続けますが、なしのつぶてで、返事が返ってこない。最後に出した手紙がひもで束ねられて送り返されてきます。出した方にとっては、これは絶望です。この辺、女性監督ならではの細かい神経の使い方なのかどうか?

が、しかし、ケチをつけるのが目的ではなく、僕はこの映画は、どこからみても第一級のよくできた映画だと思います。まず、ストーリーがいい。全体の構成がいい。本来であれば脚本がいいというべきでしょうが、そこまで僕にはわかりません。マリオン・コティヤールがいい。決して美人ではないのですが、表情が素晴らしく、ゾクッとするほど美しく見えるときがあります。

息子にまで受け継がれる音楽は、チャイコフスキーの「四季」のなかの「6月」になる「舟歌」です。題名は知らなくても、メロディーを聴けば僕でさえも「ああこれか!」と思いました。「息子にまで受け継がれる」というところが、この映画のミソです。二人で撮った写真、あとでトランクから出してみると、自分一人だけしか映っていません。「なんじゃ、これは!」です。息子は誰の子なのか? 背筋に冷や汗が流れました。それにしても配偶者のホセは、生涯ガブリエルに尽くします。いい男です。夫の鏡です。

以下、シネマトゥデイより

見どころ:『海の上のバルコニー』などのニコール・ガルシア監督と『サンドラの週末』などのマリオン・コティヤールが組み、ミレーナ・アグスのベストセラー小説を映画化。ある女性が、およそ17年かけて愛の本質を見つけるまでの紆余(うよ)曲折を描く。『ローマ法王になる日まで』などのアレックス・ブレンデミュールが夫を演じ、『サンローラン』などのルイ・ガレルが運命の男性を好演。

あらすじ:若く美貌にも恵まれたガブリエル(マリオン・コティヤール)は、南フランスの小さな村で両親と妹と一緒に住んでいる。彼女には真実の愛や結婚についての理想があったが、両親は勝手に真面目で心優しいスペイン人労働者ホセ(アレックス・ブレンデミュール)と娘の結婚を決める。ホセはガブリエルに尽くすが、彼女は決して彼を愛さないと決心する。







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翻訳:中嶋浩郎
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