纐纈あや監督の「ある精肉店のはなし」が文化記録映画部門大賞に!  | とんとん・にっき

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纐纈あや監督の「ある精肉店のはなし」を観た時に、以下のように書きました。


ドキュメンタリー映画「ある精肉店のはなし」は、牛を育てて、食肉にして売る家族の暮らしに寄り添った作品です。纐纈監督は、半年通って撮影の承諾を得て、近くに部屋を借りて連日北出家を訪れ、食卓も共にした、という。「生まれた地で生きることを考え抜いた人たちは、深い懐で私を丸ごと受け入れてくれた」と纐纈監督は言う。背景には「被差別部落」の問題もあるが、兄は日本最初の人権宣言である「水平社宣言」について語り、弟は牛の皮をなめして太鼓を作ります。息子は親たちが考える偏見をものともせず、岸和田城で結婚式を執り行います。地域のつながりを象徴する「だんじり」を曳くシーンは圧巻です。


纐纈あや監督の「ある精肉店のはなし」が、2014年度文化庁映画賞・文化記録映画部門大賞を受賞したという新聞の記事を見つけました。(朝日新聞:2014年9月24日朝刊)

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さっそく「文化庁」のサイトを探したら、以下のようにありました。

「文化庁・芸術文化・文化庁映画賞」


平成26年度文化庁映画賞について
文化庁では,我が国の映画の向上とその発展に資するため,文化庁映画賞として,優れた文化記録映画作品(文化記録映画部門)及び永年にわたり日本映画を支えてこられた方々(映画功労部門)に対する顕彰を実施しています。文化記録映画部門では,選考委員会における審査結果に基づき,次の3作品(文化記録映画大賞1作品,文化記録映画優秀賞2作品)を受賞作品として決定しました。各作品の製作団体に対して,文化庁映画賞として賞状及び賞金(文化記録映画大賞200万円,文化記録映画優秀賞100万円)が贈られます。また,映画功労部門についても次のとおり7名の方を受賞者として決定し,それぞれ文化庁長官から文化庁映画賞が贈られます。

文化記録映画部門贈賞理由

「ある精肉店のはなし」 監督:纐纈 あや 2013年/108分家族で牛を飼育し、屠畜して精肉を販売する。この仕事を代々続けてきた精肉店一家の日常は活気に満ちている。牛のいのちと向き合ってきた家業の深奥で光る明るさだろうか。それが映画全編のトーンを作っている。屠畜や部落差別というテーマがこうした雰囲気の中で語られたのはこれまでなかったことだ。斬新な視点で地域の「今」を伝え、差別をめぐる人びとの意識の変化に迫ったこの映画の「構えの大きさ」を高く評価したい。(選考委員:戸田桂太)


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纐纈あやさんの作品はデビュー作「祝(ほうり)の島」を観ました。原発建設に反対する山口県の祝島漁民の日々を描いたドキュメンタリーでした。「ある精肉店のはなし」はまだ2作目ですが、テーマは2作とも描きようによっては深刻なのに、出来上がったドキュメンタリー作品はなぜか「穏やかな」作品です。

「祝の島」のまだラッシュの段階で、纐纈あやさんのお話を聞きました。また「ある精肉店のはなし」は、製作段階で友人たちと共に、「ある精肉店の話(仮)を応援する会」へ、僅かばかりですが「映画製作協力金」として協力をさせていただきました。お礼にということで、「北出精肉店特製牛肉の佃煮」を送っていただき、友人たちとの飲み会で美味しくいただきました。下は「製作だよりVol.1」です。それが「2014年度文化庁映画賞・文化記録映画部門大賞」受賞です。こんなうれしいことはありません。


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「ある精肉店のはなし」公式サイト


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