柄谷行人の「私の謎 柄谷行人回想録」を読んだ! | とんとん・にっき

柄谷行人の「私の謎 柄谷行人回想録」を読んだ!

 

柄谷行人の「私の謎 柄谷行人回想録」(講談社:2026年4月21日第1刷発行)を読みました。

 

「私の謎」は「人類の謎」につながる――

 

左翼だった父、戦後文学者たちとの出会い、くじ引きで決まったアメリカ居合材、建築から哲学までに至る世界的知識人との交流、ある日突然「やってきた」交換様式論・・・現代日本の批評・思想を代表する哲学者の人生を彩る様々な出来事を振り返る。メモワールにして柄谷思想最良の入門書。

 

朝日新聞好評連載を大幅増補のうえ書籍化!

 

「このインタビューを読み返すと、驚きと感慨を禁じ得ない。自分がこれまでたどってきた道が、偶然の連続であったことに思いいたるからである。そのなかにいるときには気づかなかったが、振り返ってみたとき、人生を決めるのは偶然であるとすら思えてくる。

私は、小学校に入ってから二年間、教室で口をきかなかった。そのような引っ込み思案な人間が、偶然の出会いが重なるなかで、自然と、日本のみならず外国まで、著作を発表したり教えたりするようにするようになっていったのだ。それは、努力したり目指したりして実現したことではなかった。いわば、「向こうから来た」ことだった。

私の著作についても、同じことがいえる。いつも新しい考えが勝手に湧いてきたが、その最たるものは、「交換様式」であった。交換様式とは、私が前世紀の終わりに着想した理論で、以来、私はそれについて考えつづけてきたのだが、これも不意に思いついたものだった。」(あとがきより)

 

柄谷行人:

哲学者。兵庫県生まれ。1965年、東京大学経済学部卒業。67年、同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。「畏怖する人間」「意味という病」「マルクスその可能性の中心」(亀井勝一郎賞)「探究」(Ⅰ・Ⅱ)「トランスクリティーク カントとマルクス」「世界史の構造」「哲学の起源」「力と交換様式」など著書多数。2022年、バーグルエン哲学・文化賞をアジア人として初めて受賞。

 

聞き手

滝沢文那:

朝日新聞文化部。1987年長野県生まれ。2011年、朝日新聞社入社。鹿児島や和歌山勤務を経て、文化部で、演劇や放送、出版を取材。

 

 

朝日新聞:2026年6月9日

9条の存在、ありがたい奇蹟