布野修司編著「はてしなき現代住居1989年以後」が届いた! | とんとん・にっき

布野修司編著「はてしなき現代住居1989年以後」が届いた!

 

布野修司編著「はてしなき現代住居1989年以後」(フィルムアート社:2024年5月20日初版発行)が届きました。

 

阪神・淡路大震災(1995)、東日本大震災(2011)などこの30年に次々に大災害が日本列島を襲い、日本の住居とそれを取り巻く環境が、想像以上に脆弱であることが明らかになった。また、少子高齢化の信仰は、日本から活力を奪っていった。膨大な空き家を抱える一方、日本の階層分化、上流(富裕)層と下流(低所得)宋の二極分化も指摘される。そして、日本の総人口は、2011年以降、減少に転じた。2070年には8700万人に減少するという(厚生労働省人口問題研究所、2023年4月)。日本は世界でもっとも少子高齢化が進行する国である。

私たちは、現在どのような住居を手にしているのだろうか? 現代の日本では、住宅は「買う」ものであって「建てる」ものではなくなっている。日本の住居の未来はどうなっていくのであろうか?

「住むこと」と「建てること」の未来を考えるために、この30年の日本の住居を振り返ってみたい。

自ら「住む」場所を選び、自ら住居を思うままに設えることは、誰もが人生の節目に行ってきている。この選択はどのようなかたちで終わるのであろうか。かつては、生まれた場所は故郷であり、やがて帰っていく場所であった。また、移り住む場所にも、地域それぞれに互いに助け合うコミュニティがあった。しかし、そうした故郷や地域コミュニティは失われつつあるように思える。そもそも、集まって住むかたちはどのようであればいいのか?(布野修司)

 

目次

Ⅰ 総論

   失われた終の棲家 布野修司

Ⅱ 1989-2019の住居50選

Ⅲ 現代住居論考

  1 集住 家族と社会

  2 テクノロジー 供給と生産

  3 建築家 作品と表現

    それでも私たちは「作品」を

    鉤括弧でくくる 市川紘司

年表 日本の住居1989-

おわりに コモンズのかたち 布野修司

 

Ⅱ 1989-2019の住居50選より

「相模原の住宅」野沢正光

 

「箱の家」難波和彦+界工作舎