エマニュエル・トッド×池上彰の「問題はロシアより、むしろアメリカだ」を読んだ! | とんとん・にっき

エマニュエル・トッド×池上彰の「問題はロシアより、むしろアメリカだ」を読んだ!

 

エマニュエル・トッド×池上彰の「問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界」(朝日新聞出版:2023年6月30日第1刷発行、2023年9月10日第4刷発行)を読みました。

ロシア側でもなく、アメリカ側でもなく、フランスの中立的な視点は貴重です。

 

ウクライナ戦争について、メディアで飛び交うさまざまな言説とは異なる新たなる視点。
 

「私はいま、ひじょうに不安を感じている。西洋はこの戦争が進むにつれて、ますます現実から背を向けるようになって来たからだ」(エマニュエル・トッド)
 

「トッド氏の視点は鋭く、私たちに別の視角を与えてくれます。読者はウクライナでの戦争は、このように見ることも可能だという新たな視座を獲得するでしょう」(池上彰)

世界の頭脳であるフランス人人口学者のエマニュエル・トッド氏と、ジャーナリストの池上彰氏による初対談本。
なぜウクライナ戦争は起きたのか、いまだ終わりの見えない戦争の行方、長らく1強の覇権国家として君臨してきたアメリカの弱体化、それによって多極化、多様化していく世界をどう生きていけばいいのかーー。G7を含めた西側諸国がもはや少数派となる中で、日本の進むべき道とは? 全3日間にわたる白熱対談!


目次
はじめに   エマニュエル・トッド
第1章 ウクライナ戦争の原因とジャーナリストの責任
どうしてアメリカが戦争に向かわせたか
バルト3国からウクライナまで不安定な地域圏
「最大の責任はアメリカ」 まず日本で発言した理由
なぜメディアはロシア嫌いなのか
みなそろって好戦的な報道機関
第2章 終わらない戦争
第三次世界大戦はもう始まっている
ポーランドのロシアに対する憎しみ
好戦的になりつつあるバルト3国と米英
仲介案を出した中国の真の目的
ロシアと中国は戦争継続に意義がある
第3章 意識化の対立と「無」への恐怖
    世界ではLGBTについて保守的な傾向の国が多い
忘れ去られるかもしれないネオフェミニズム
戦争を見ていくうえで重要な人類学的側面
ロシアがしていることはアメリカがしてきたこと
民主主義や自由を守る戦いではない
第4章 アメリカの没落
NATOの兵器供与が戦争を長引かせているのか
ウクライナ戦争の五つのファクター
アメリカはドイツにも戦争をしかけている
岸田文雄首相のキーウ電撃訪問に疑問
ヨーロッパ人は現実を直視していない
第5章 多様化していく世界と我々
アメリカが崩壊したら日本はどうするべきか
グローバルサウスはむしろロシアに近い
みんなが負ける負け戦が続く
世界が多様化しても不安定とは限らない
ロシアはもちろん悪いのだが―ーあとがきに代えて 池上彰
年表 ウクライナ戦争をめぐる動き

 

エマニュエル・トッド:

歴史人口学者・家族人類学者。1951年、フランス生まれ。家族構成や人口動態などのデータで社会を分析し、ソ連崩壊などを予見。主な著書に「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」「第三次世界大戦はもう始まっている」など。

 

池上彰:

ジャーナリスト。1950年、長野県生まれ。NHKの記者やキャスターを経て、フリーに。名城大学教授、東京工業大学特命教授。芋な著書に「世界史を変えたスパイたち」「第三次世界大戦日本はこうなる」など。