ダニエル・ソカッチの「イスラエル 人類史上最もやっかいな問題」を読んだ! | とんとん・にっき

ダニエル・ソカッチの「イスラエル 人類史上最もやっかいな問題」を読んだ!

 

ダニエル・ソカッチの「イスラエル 人類史上最もやっかいな問題」(NHK出版:2023年2月25日第1刷発行)を読みました。

なかなか読み応えのある、370ページもある本です。

 

「知らない」ではすまされない、

世界が注視する“この国”を正しく知るための入門書

イスラエル。こんなテーマがほかにあるだろうか?
人口1000万に満たない小さな国が世界のトップニュースになるのはなぜか?
アメリカのキリスト教福音派はなぜ、イスラエルとトランプを支持するのか?
なぜ紛争は繰り返されるのか?そもそも、いったい何が問題なのか?
世界で最も複雑で、やっかいで、古くからの紛争と思われるものを正しく理解する方法などあるのだろうか?
国際社会の一員として生きていくために、日本人が知っておくべきことが、この一冊に凝縮されている。
争いを拡大させているのは、私たちの無知、無関心かもしれない。

 

「イスラエルについてどう思う?」と唐突に質問されたら、

あなたは何と答えるだろう?

教養人ほど、イスラエル・パレスチナ問題に白黒をつける論陣を張る。

だが、イスラエル人とパレスチナ人はどちらも正しく、

どちらも間違っているというのが本当のところだ。

どちらも、自分ではどうにもならない力の、お互いの、

そして、自分自身の犠牲者なのである。

それはどういうことなのか? 本書はそれをあぶりだす試みである。

第三者である私たちが、この世界でもっとも複雑で、やっかいで、

古代から続く紛争に注意を払うべき理由、

紛争の解決を求める人びとを支援することが、
中東のみならず世界にとっても重要である理由を語る物語である。

 

目次
第1部 何が起こっているのか?
  1章 ユダヤ人とイスラエル

  2章 シオニストの思想

  3章 ちょっと待て、ここには人がいる

  4章 イギリス人がやってくる

  5章 イスラエルとナクバ

  6章 追い出された人びと

  7章 1950年代

  8章 ビッグバン

  9章 激動

  10章 振り落とす

  11章 イスラエルはラビンを待っている

  12章 賢明な希望が潰えて

  13章 ブルドーザーの最後の不意打ち

  14章 民主主義の後退
第2部 イスラエルについて話すのがこれほど難しいのはなぜか?
  15章 地図は領土ではない

  16章 イスラエルのアラブ系国民

  17章 恋物語?

  18章 入植地

  19章 BDSについて語るときにわれわれが語ること

  20章 Aで始まる例の単語

  21章 Aで始まるもう一つの単語

  22章 中心地の赤い雌牛

  23章 希望を持つ理由

 

2023年は、日本と中東の関係を大きく変えた1973年の石油ショックから50年、本書の直接のテーマである「イスラエルとパレスチナの和解」が実現したオスロ合意から30年にあたる。その節目の年に、中東の歴史を深堀したこの本は、まさに日本人が読むべき1冊である。

――中川浩一(元外交官・)三菱総合研究所主席研究員

 

ダニエル・ソカッチ:

社会活動家。イスラエルの民主主義を名実共に達成させるためのNGO、「新イスラエル基金(New Israel Fund)」のCEO。同基金は、宗教、出身地、人種、性別、性的指向にかかわらず、すべての国民の平等を確立すること、パレスチナ市民やその他の疎外されたマイノリティの利益とアイデンティティの表現および権利のための民主的な機会の保護、イスラエルが近隣諸国と平和で公正な社会を構築し維持することなどを目標に掲げて活動している。妻と二人の娘とともにアメリカ、サンフランシスコに在住。