斎藤真理子の「本の栞にぶら下がる」を読んだ! | とんとん・にっき

斎藤真理子の「本の栞にぶら下がる」を読んだ!

 

斎藤真理子の「本の栞にぶら下がる」(岩波書店:2023年9月14日第1刷発行)を読みました。

 

韓国文学翻訳の名手による、珠玉の読書エッセイ

どんなに古い本にも、

今につながる栞がはさまっている

 

『82年生まれ、キム・ジヨン』など、数々の話題作の翻訳を手がける著者が綴った、珠玉の読書エッセイ。文学に刻まれた朝鮮と日本の歴史をたどり、埋もれた詩人や作家に光を当て、人間が疫病や戦争に向き合ってきた経験をひもとくなど、韓国文学に止まらない古今の本を取り上げながら、その普遍性を今に開く25篇。

 

「記憶の中の書棚の上段にいろんな本が入り乱れ、雑多に積み上がっていて、一本の栞を引っ張ると他の本もつられて動く。スピンに他の本の記憶がぞろぞろとぶら下がり、連なり、揺れている。そんな眺めについて書こうと思う」という前振りで、この連載を始めたそれならどんな本のことでも書けるし、軽やかな感じになるかもしれないと思ったので。でも結局、書いたのは古い本のことばかりで、重苦しい話の方が多かったかもしれない。」

(「本文」より)

 

2020年に「図書」に連載を始めたときは、新しい本についても大いに書くつもりでした。ところが連載が進むにつれて、自分が思いつくのは古い本のことばかりなんだなと思い知りました。私の場合、新しい本についてはもっと寝かせないと思いきり言葉にすることができないようで、書評家のみなさんの偉大さを改めて痛感した次第です。

(「あとがき」より)

 

斎藤真理子:

1960年新潟市生まれ。翻訳者、ライター。著書に「韓国文学の中心にあるもの」(イースト・プレス)。訳書にパク・ミンギュ「カステラ」(ヒヨン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」(河出書房新社)、ハン・ガン「ギリシャ語の時間」(晶文社)、チョン・セラン「フィフティ・ピープル」(亜紀書房)、チョ・ナムジュ「82年生まれ、キム・ジョン」(筑摩書房)、パク・ソルメ「未来散歩練習」(白水社)などがある。共編著に「韓国文学を旅する60章」(波田野節子、・きむ ふなとの共編著、明石書店)。2015年、「カステラ」で第1回日本翻訳大賞受賞。2020年、「ヒョンナムオッパヘ」(チョ・ナムジュ他、白水社)で韓国文学翻訳大賞(韓国文学翻訳院主宰)受賞。

 

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「韓国文学の中心にあるもの」

2022年7月16日初版第1刷発行

著者:斎藤真理子

発行所:株式会社イースト・プレス

(こちらの方を先に読むべきだったかもしれないが、

結局、まだ読んでいない。)