「独学の教室」を読んだ! | とんとん・にっき

「独学の教室」を読んだ!

 

「独学の教室」を読みました。

 

この手の本は、人によっては受け付けない人も多いかと思いますが、それは受け取り方次第であることはもちろんのことです。

 

一緒に独学しませんか。

 

独学の方法は、独りでは学べない。14人の先人が語る、学びの神髄!
2021年12月刊の雑誌『kotoba』(集英社)の特集「独学の愉しみ」を新書化。
 

なぜ我々は学びたいのか? デジタルツールの進化により、あらゆる知識が瞬時に引き出せる今、学ぶことに意味はあるのか? 本書では、『独学大全』が 20万部を突破し、一躍「独学」の旗手となった読書猿を筆頭に、英語、ビジネス、美術、読書、ノート術、漫画、数学、物理学、冒険まで、多彩なテーマについて各界屈指の独学者たちが寄稿。さまざまな独学のスタイルを考え 、学びの魅力と意味を探る。

 

最初に、読書猿の「独学大全」、20万部を超えるベストセラー、本屋で平積みされていたもの、あまりにも分厚く、とても僕には読めそうもないのでその時は敬遠しました。その読書猿さんが巻頭言、「ぼくの書く本は道具箱なんで、使ってナンボですよ」という。独学者は「自分が学んでいる」という自覚があるが故に、学び損なっていることや、学び方に失敗していることに気づきやすい。そしてフランシス・ベーコンの「学問の進歩」を踏襲して「創造・記憶・理性」の三分法を提案しています。

 

僕が気になった著者は、永江朗さん、フリーライターで、今までいろんなところで書かれたものを読んできました。その永江さんが、巷で話題の独学本八冊を挙げながら、「学び」について考えています。重複するといえば重複しますが、独学本の象徴的存在といえるのが「独学大全」(ダイアモンド社)分厚い本を見ただけど「独学のすべてが書かれている」と感じたという。「独学大全」は、「どのように学ぶか」よりも「何を学ぶか」が大事だし、「何を学ぶか」よりも「学び続けるか否か」の方が重大だという。

 

ブログ「青い日記帳」のTakさんが、この本を彼のブログで取り上げていたのは知っていましたが、彼自らが投稿していたのは、この本が手元に届いてから初めて知りました。今では「美術ブロガー」として押しも押されぬ存在ですが、昔からの知人で、アート仲間といわゆるオフ会で、酒を飲み美術談義を語り合ったものです。彼は「独学だからこそ身につく、いちばんやさしい美術鑑賞術」、これから「独学」で美術を楽しみたいと思っている同好の士への絵画鑑賞のヒントを披露しています。そこで、アートを観賞する上では、二つのインプットが大切という。一つは実物をなるべく多く観ること。もう一つは活字を通して知識や情報を得ることの二点です。そうそう、Takさんは、フェルメール研究の第一人者で、全点踏破の偉業を成し遂げています。

 

あともう一人、外すわけにはいかない人、元外務省主任分析官の佐藤優さんです。論壇での活躍は言を俟たない、最近は対談本でも引く手あまた。受験産業が作る教材は完成度が高いが、大学入試以降は高校までのように手取り足取り教えてくれず、圧倒的多数の学部卒業生は基礎学力や専門知、さらには学び方を知らないまま社会に放り出される。では教養を身につけるために必要なものとは何か。かれは「読解力」だという。読解力を養うには、数学や論理学のような「非言語的論理」と、文章を読み解く「言語的論理」の二つを鍛える必要があるという。そして彼は内容に応じて「書く」こと、重要個所を抜き書きし、自分のコメントを付記しておく。独学のためのノート作りは、「レーニンのノート術」が参考になるという。

 

目次

はじめに
Part1 独学の真髄を味わう
読書猿(独学者)

  独学者を阻む薄い壁
吉田 武(京都大学工学博士)

  独学とは再帰なり 選ばれし者から選びし者へ
ウスビ・サコ(京都精華大学前学長)

  自力で学ぶ「自学」のすすめ
澤井康佑(文筆業、英語講師)

  大金不要、ネイティブ無用 独学最強の英語学習法
鎌田敬介(Armoris取締役専務CTO)

  日本の「仕事人」をとりまく独学環境
志村真幸(比較文化史研究者)

  独習者、南方熊楠の驚異の記憶力
青い日記帳(美術ブロガー)

  独学だからこそ身につく いちばんやさしい美術鑑賞術
永江 朗(フリーライター)

  独学本のススメ

Part2 私の独学、私と独学
佐藤 優(作家)

  独学の秘訣 記憶を再現するためのノート術
柳川範之(経済学者)

  苦しい学びは続かない
石塚真一(漫画家)

  独学の漫画家、独学のサックスプレーヤーを描く
岡部恒治(数学者)

  社会人のための数学独学法
深川峻太郎(ライター、編集業)

  私はなぜ相対性理論を独学したのか
角幡唯介(作家、探検家)

  冒険と独学