ベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラストタンゴ・イン・パリ」を(再び)観た! | とんとん・にっき

ベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラストタンゴ・イン・パリ」を(再び)観た!

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ベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラストタンゴ・イン・パリ」を、TUTAYAで借りたDVDで観ました。もう何度となく観たこの映画、観るたびに発見があります。日本での公開の時には観ていないのですが、ビデオを借りて、当時はビデオの時代ですが、何度か借りて観ました。この映画は70年代前半、この映画は概ね猥褻な映画として話題になっていました。マーロン・ブランドが“本番”をしたとか・・・。イタリアでは上映禁止となり、マーロン・ブランドはポルノ罪で有罪になったとか・・・。当時としてはあまりにも性描写が過激だったようです。


若い娘と中年男、といえば、描かれた背景は大きく異なりますが、マルグリット・デュラス原作の映画「愛人 ラマン」を思い出します。あるいは、ジュリエット・ビノシュの「ダメージ」と言ったらいいのか・・・。この二つの映画は、それほど性描写が過激というわけではありませんが・・・。ベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラストタンゴ・イン・パリ」の方は、それほどストーリーがあるわけではなく、単にアパートの下見に来た若い娘と中年男が偶然出会い、そこで男は娘を犯す、ただそれだけです。


若い娘の方は、映像の仕事をしている恋人もいるのですが、悪夢としか言いようのない出来事でしたが、なぜか再びそのアパートの空き部屋を訪れてしまうのでした。もちろん彼女が予想していたように、そこには中年男がいました。この部屋にいる間はただの男と女であり、セックス以外にはなにも存在しない、と彼は言います。娘が自分のことを言おうとすると、男は君のことなどなにひとつ知りたくないと言い放ちます。陸の孤島のようなアパートの空き部屋で、二人はただただ情欲に溺れるのでした。見どころはやはり、バターを使って娘を後から責めるところ、でしょうか。


男は下町で小さなホテルを営んでいて、彼の妻は自殺をし、その理由も分からないままでした。彼は妻と関係があったホテルの住人の話を聞くと、妻は自分よりもその男の方を愛していたのではないかと思うようになります。娘は恋人と中年男の間で揺れ動きます。恋人と結婚し、この部屋を新居にしようと恋人を連れてきますが、恋人にはこの部屋は相応しくないと言われてしまいます。彼女は今までの呪縛から解放され、中年男に別れを宣言します。執拗に追ってくる男に、父の遺品の軍用拳銃で発砲します。男はベランダに崩れ落ち、若い女は「私はあなたを誰か知らない」とうわごとのようにくり返します。


タイトルバックに出てくるフランシス・ベーコンの2枚の絵。これには驚きました。今までベーコンの絵が、この映画の最初に使われていたことは知りませんでした。当時は、フランシス・ベーコンを知らなかった、ということです。


「Movie Wolker」より
イタリアでは公開後四日にして上映禁止処分を受け、各国でも芸術かワイセツかで大きなセンセーショナルを起こした「暗殺の森」のベルナルド・ベルトルッチの問題作。製作は「カンタベリー物語」のアルベルト・グリマルディ、脚本はベルトルッチとフランコ・アルカッリ、撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はガトー・バルディエリ、編集はフランコ・アルカッリが各々担当。出演はマーロン・ブランド、マリア・シュナイダー、ジャン・ピエール・レオー、マッシモ・ジロッティ、マリア・ミキ、カトリーヌ・アレグレ、ミニ・パンソン、マリー・エレーヌ・ブレイラ、カトリーヌ・ブレイヤ、ルシェ・マルカン、ジャン・ルック・ビドーなど。


若い娘(マリア・シュナイダー)と中年男(マーロン・ブランド)

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タイトルバックに出てくる「フランシス・ベーコン」の2枚の絵

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最初のシーンで2人が出会う「ビルアケム橋」

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