重要文化財「岩手銀行中ノ橋支店」
2012年1月24日、BS日テレの番組、「知られざる百年遺産 わが町の建築物語」で、盛岡のシンボル「旧盛岡銀行本店」が取り上げられて、放映されていました。実は昨年、2011年6月、岩手県立美術館へ行ったときに、「旧盛岡銀行本店」を観てきました。現在は名称が変わって、「岩手銀行中ノ橋支店」と呼ばれています。日本建築学会編集の「近代建築史図集新訂版」にも、しっかり取り上げられています。盛岡まで観に行って、写真も写してきたのですが、なぜかブログには載せないままに過ぎてしまいました。
放送されて始めてわかったことは、岩手銀行は盛岡市中ノ橋通1丁目の岩手銀行中ノ橋支店を来年6月をめどに、支店北側の隣接地に新築、移転するということ。これには驚きました。平成6年に、民間企業の業務用店舗で現在使用中のものとしては、わが国で初めての重要文化財に指定されました。こんな建物は滅多にありません。一時はイメージを一新するためにレンガを白く塗ったので「白い明治館」と呼ばれたこともあったようですが、昭和33年、再度赤レンガの外観を取り戻したそうです。岩手銀行のホームページなどによると、以下の通りです。
旧盛岡銀行である岩手銀行中ノ橋支店は、 市街地の中心部に位置し中津川・中の橋と一体となって盛岡の代表的な景観を形成しています。 東京駅の設計者である辰野金吾と葛西萬司(盛岡市出身)が設計しており、 外観が東京駅に似ています。明治44年に建てられたもので、赤レンガ造りに緑のドーム、 その輪郭はルネッサンス風の厳格さを現し、明治末期のレンガ組積造りは、 美しい絵画的効果を発揮し格調高くそびえています。 日没後はライトアップされ、その美しい輪郭が浮かび上がります。
宮沢賢治もこの建物が気に入っていたようで 「岩手公園」という詩の最後に、以下のように記しています。
弧光燈にめくるめき
羽虫の群のあつまりつ
川と銀行木のみどり
まちはしづかにたそがるる
以下、昨年6月に撮影した画像を載せておきます。
BS日テレ:2012年1月24日放送
「知られざる百年遺産 わが町の建築物語」
盛岡のシンボル「旧盛岡銀行本店」