ギャラリーエークワットで「森山開次展 ハコ・ヒト・ハコ 踊り・空間・映像」を観た! | とんとん・にっき

ギャラリーエークワットで「森山開次展 ハコ・ヒト・ハコ 踊り・空間・映像」を観た!


ギャラリーエークワットで「森山開次展 ハコ・ヒト・ハコ 踊り・空間・映像」を観てきました。ギャラリーエークワットとは、江東区新砂にある竹中工務店東京本社社屋の1階にあるギャラリーです。前川国男や坂倉順三の関連する建築関係の展覧会があり、今まで何度か観に行きました。つい先日、竹中工務店東京本社社屋に関する朝日新聞の全面広告が載っていました。緑の森を背景に、「いまだ見学者の絶えないビルがある。自然の光や風も活用して、5年間で47%もの省エネを実現したビルだから。」と、省エネを強調しています。


さて「森山開次展 ハコ・ヒト・ハコ 踊り・空間・映像」、なにしろポスター・チラシが度肝を抜きます。透明の箱の中に、鍛え抜かれた身体の裸の男性が入っている、というものです。僕は森山開次がどのような人なのか、まったく知りませんでした。また、このポスター・チラシを一目見ただけでは、どんな内容の展覧会なのかまったくわかりません。とりあえずギャラリーエークワットでなにかやっているので行ってみようと思い立ったわけです。


3時ちょっと過ぎに会場へ行ったところ、いつも閑散とした玄関ホールはたくさんの人で埋まっていました。中央の白いシートが敷き詰められた場所で、ほとんど全裸の男性が踊っていました。僕はこの分野に疎いのですが、いわゆる創作ダンス、というものです。今回はギャラリーエークワットの空間を「ハコ・ヒト・ハコ」というテーマで、森山扮する精霊が自由に飛び回り、跳ね、眠り、触れ、創ることにより、固定された場を生きた場へと変えようとする試みのようです。


森山開次とは、どんな人か? チラシの裏には以下のようにあります。1973年神奈川県生まれ。21歳でダンスを始める。2001年エジンバラフェスティバルにて、「今年最も才能のあるダンサーの1人。彼1人のために観に行く価値あり」(英・Scotsman誌)と評された後ソロ活動開始。2005年ニューヨークで発表のソロ作品「KATANA」にて「驚異のダンサーによる驚くべきダンス」(New York Times紙)と評され、2007年ヴェネチアビエンナーレ2007ダンス部門招聘。国内海外での作品発表のほか、テレビ・映画・写真作品など幅広い媒体での身体表現に果敢に取り組んでいる。









「森山開次展 ハコ・ヒト・ハコ 踊り・空間・映像」
独創的な表現で、国内だけでなく海外でも高い評価を得るダンサー・森山開次は、能や民話、刀など和の素材をモチーフとした独自の世界観による身体表現には定評があります。ステージを舞台として固定するのではなく、森や海、あるいは美術館へと活動空間を外部に広げながら創作ダンスによるコンテンポラリーアートへの挑戦を果敢に続けています。09年に発表された「森山開次作品集」では、能の「翁」や「弱法師」「天鼓」に着想を得て阿修羅像を彷彿とさせる舞姿で、浄化されたあちらの世界とこちらの業の渦巻く情感の世界を行き来する精霊を舞いました。森山が創るその躍動的空間は、生きた建築表現とも言えるものでした。21世紀初頭を迎え、モノからコトへと視座が変遷する中で、森山は、舞台というハコから飛び出しつつ、境界というハコの中で、そのハコに息を吹きかけ、踊りという身体表現による新たな空間創出の可能性を探っています。今回はギャラリーエークワットの空間を「ハコ・ヒト・ハコ」というテーマで、森山扮する精霊が自由に飛び回り、跳ね、眠り、触れ、創ることにより、固定された場を生きた場へと変えることとなるでしょう。映像監督には島田大介を招き、カメラマン・奥田睦、ヘアーメイクアーティスト・松本順、音響・インタラクションシステムに松村誠一郎など、森山と同世代の才能が結集し創られた新作映像を一挙公開します。身体表現の楽しさや可能性を感じていただけたらと思います。


「ギャラリーエークワット」ホームページ


とんとん・にっき-take7 森山開次展ハコ・ヒト・ハコ踊り・空間・映像

小冊子
企画・主催:ギャラリーエークワット

映像・演出:島田大介(コトリフィルム)

音響・インタラクションシステム:

松村誠一郎(東京工科大学准教授)


とんとん・にっき-take1



朝日新聞全面広告

2010年12月14日

竹中工務店東京本社社屋

いまだ見学者の絶えないビルがある。

自然の光や風も活用して、

5年間で47%もの省エネを実現したビルだから。








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