マノエル・デ・オリヴェイラ監督の「ブロンド少女は過激に美しく」を観た! | とんとん・にっき

マノエル・デ・オリヴェイラ監督の「ブロンド少女は過激に美しく」を観た!

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マノエル・デ・オリヴェイラ監督の「ブロンド少女は過激に美しく」を観てきました。「え~、これだけ?」という、まあ、物足りない、というか、シンプルな作品です。リスボンにある叔父の店の2階で会計の仕事をしている男、向かいの建物の窓にブロンド娘が見えます。窓を額縁に見立てて、若い2人が交互に収まります。ブロンド娘は中国風の団扇で、優雅に振る舞います。謎めいた、しかし美しい映像です。早い話が男の一目惚れ、果たしてブロンド娘の正体や如何に?


なかなか僕らには分からない階級闘争めいた背景もあるようです。男はブルジョア、女はプロレタリア、お互いに理解不可能な階級に属しています。従って、そう簡単に恋が実るとはとても思えません。叔父に結婚したいというと、理由も言わずに頑なに反対されます。店も辞めざるを得なくなります。苦難の道を歩みながら遠隔地で一攫千金に成功し、社会的な地位も安定し、再度あこがれのブロンド娘にプロポーズします。叔父さんも、ブロンド娘の両親にも了解を取り付けます。そして幸せ一杯の2人は、結婚指輪を買いに行くことになります。が、しかし、突如、この物語は幕を閉じます。


映画はリスボン発の列車内で乗り合わせた隣のご婦人に、男が恋に破れた話を告白するという設定で進行します。人生は窓の外の景色と同じように変貌を続けます。話をしたからといって、元に戻るというのではありません。ただ記憶を語るだけです。100歳を迎えたマノエル・デ・オリヴェイラ監督の言いたかったことは何なのか? 人間存在の不可思議さ、特に若い女は、かも?


以下、とりあえずシネマトゥデイより引用しておきます。


チェック:ポルトガルの文豪エサ・デ・ケイロスの短編小説を、撮影中に100歳の誕生日を迎えた巨匠マノエル・デ・オリヴェイラが舞台を現代に移して映画化。リスボン発の列車に乗り込んだ主人公の男が、誰にも言えない衝撃的な体験談を隣の席に座った見知らぬ婦人に語り聞かせていく。主演は、オリヴェイラ監督の孫であるリカルド・トレパ。主人公の男と見知らぬ婦人による小気味良いやり取りと、皮肉とユーモアに満ちたストーリー展開が楽しめる。


ストーリー:列車で隣り合わせた婦人(レオノール・シルヴェイラ)に、衝撃的な体験を語り始めたマカリオ(リカルド・トレパ)。彼は叔父に雇われて洋品店の2階で会計士として働き始めた折、通りの向かいの家に姿を現したブロンドの少女ルイザ(カタリナ・ヴァレンシュタイン)に一目ぼれし、結婚の許しを得ようとするまでに至ったというが……。


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「ブロンド少女は過激に美しく」公式サイト