ウィーン分離派の建築家と建築! | とんとん・にっき

ウィーン分離派の建築家と建築!


日本橋高島屋で「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」を観てきましたが、その中でシーレの描いた「オットー・ワーグナー」の肖像画や、オッペンハイマーの描いた「アドルフ・ロース」の肖像画が出てきたのにはいささか驚きました。勝手な思い込みですが、よく雰囲気を捉えているのではないかと思いました。2人ともウィーンの建築家なのです。


オットー・ワーグナー(1841-1918)は、古典的様式でありながら近代的様式であるという、19世紀と近代を橋渡しする役割を担った建築家です。弟子にホフマンやオルブリヒがいます。ワーグナーは教育者でもあり、ボス的建築家で公共建築も手がけ、ウィーン郵便貯金局は彼の代表作です。ここではシュタインホーフ教会と、ヴィッラ(自邸)を取り上げました。弟子のオルブリヒは「分離派館」を設計した建築家で、クリムトらと分離派運動に加わります。アドルフ・ロース(1870-1933)は、装飾は罪悪だとして、無装飾の建築を追求します。ここでは「ロースハウス」と「シュタイナー邸」を取り上げました。


何度か書いているように僕は1988年に「ヨーロッパ5カ国建築視察」のツアーに参加しました。その時にウィーンへ行ったというわけです。ウィーンでは、さまざまな建築を観て回りました。古いのでは「シェーンブルン宮殿」や、その当時最も新しいかったフンデルトワッサーの「ウィーンの公営住宅」があります。もちろん、ウィーンと言えば「分離派運動(ゼツェッション)」です。日本での「アーツ&クラフト」の展覧会で、「分離派」が取り上げられたこともありました。


今回の「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」に、ワーグナーやロースの肖像画が出ていたのですが、他に「シュタインホーフ教会」や「ワーグナー邸」、「分離派館」のポスターなどが出ていて、それらはウィーンへ行った時に観た建築で、スライドもたくさん残っています。「シュタインホーフ教会」は、建築が出来た時は金色に輝いていたと言われています。「ワーグナー邸」は「第1のヴィッラ」と「第2のヴィッラ」があります。もちろん中には入れないので、外観のみの撮影でした。以前、「ウィーン郵便貯金局」については、このブログに画像を載せましたので、今回もウィーンで観た建築の画像を載せてみようと思い立ちました。つまり「ウィーン世紀末展」に出てきた図版に、僕がウィーンで撮った画像をプラスして記事を作ろうというものです。


アドルフ・ロースの「ロース・ハウス」は、夜、ウィンナーコーヒーを飲みに出かけて(いっぺんで風邪を引きましたが)、その時前を通ったのですが画像がありません。また「シュタイナー邸」も観ていないので画像がありません。この2つは「新建築」から画像を借りて載せてあります。

1.オットー・ワーグナー






















2.ヨーゼフ・マリア・オルブリヒ









3.アドルフ・ロース



*以下の画像は、「新建築 1991 1月臨時増刊 建築20世紀PART1」より




過去の関連記事:

日本橋高島屋で「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」を観た!
オットー・ヴァーグナーの「ウィーン郵便貯金局」を観た!

「フンデルトヴァッサー展」を観る!
リリアーナ・カバーニ監督の「愛の嵐」を観た!
フンデルトワッサーの建築 (画像は飛んでますが)

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建築巡礼10
「世紀末の中の近代

オットー・ワーグナーの作品と手法」

著者:越後島研一

平成元年3月30日発行

丸善株式会社







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建築巡礼13

「ウィーンの都市と建築

様式の回路を辿る」

著者:川向正人

平成2年4月30日発行

丸善株式会社





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とんぼの本

「世紀末ウィーンを歩く」

著者:池内紀、南川三治郎

発行:1987年3月25日

発行所:新潮社