エクトール・ギマールの「カステル・ベランジュ」
「Pen」という雑誌があります。いつもスポーツジムに通っていて、ジムで見た「Pen」ですが、特集が「アール・ヌーヴォー」、なぜ今頃なのか、というのは別にして、けっこう面白い。ややタメになります。その初めに次のようにあります。
現代が失った建築美を探して。
今こそ知りたい、アール・ヌーヴォー
19世紀末から20世紀初頭にかけて、
ヨーロッパ全土で革新的な芸術運動が巻き起こった。
フランス語で「新しい芸術」を意味する、
「アール・ヌーヴォー」である。
なかでも建築は、近代都市の様相を
一変させる爆発的なパワーを持っていた。
鉄やガラスといった素材を元に、
自然界からインスパイアされた有機的な曲線を用い、
華麗なる装飾と豊かな物語性を秘めた建築物は、
見る者の無限の想像力をかき立てた。
現代建築が失った魅力を探すべく、
いま残るアール・ヌーヴォー建築を徹底取材。
そこには、21世紀の建築に対する
大いなるヒントが隠されている。
パリの「メトロ」に引き続き、フランス・アールヌーヴォー建築の超傑作「カステル・ベランジュ」です。設計した建築家はエクトール・ギマールです。ギマールはこの建築を建てる前に、ブリュッセルへ行き、オルタに会い、アール・ヌーヴォー建築について教えを受けています。当然、オルタの名作「タッセル邸」の影響は大きい。材料は、露出した鋳鉄や、多彩色のセラミック板など、全体的に左右非対称で、生き物のように動き出しそうな流動感に富む建築です。旧来の材料である煉瓦や石もギマールの手になると、生き生きとした躍動感があります。ギマールが参照するのは甲冑の生き物や植物です。
僕はカステル・ベランジュへは、1990年晩秋と1991年真夏、2度行ってます。その時に映したスライドがごっそりあります。その中から幾つか選んで、以下に載せておきます。
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