映画「イングリッシュペイシェント」を観た! | とんとん・にっき

映画「イングリッシュペイシェント」を観た!


in3



いやはや、自分でも笑っちゃいましたよ。「patient」を「pageant」と勘違いしていたなんて!よく「光のページェント」などと言います。「pageant」は辞書を引いてみると「華麗なる行列」とあります。だから「イギリス人の華麗なる行列」のように、勝手に理解していました。ところがこの映画は「patient」でした。つまり「イングリッシュペイシェント」は「イギリス人の患者」という意味になります。それはさておき、誰だったかに「この映画は見た方がいいよ」と言われていたのが、なんの映画だったか?


それが「ピアノレッスン」だったのか、「イングリッシュペイシェント」だったのか?この「イングリッシュペイシェント」はまったくどのような映画なのか内容が判らずに、TUTAYAから借りてきました。ただただジュリエット・ビノシュが出ているというだけで。あれれ変換ミスで「美の主」と出てしまいましたよ。ビノシュの映画と言えば、僕の中ではルイ・マル監督の作品、ジェレミー・アイアンズと共演した「ダメージ」です。これも官能的で、哀しい映画でした。もちろん、「存在の耐えられない軽さ」や「ポン・ヌフの恋人」、「トリコロール/青の愛」も観ましたし、「ショコラ」も観ました。いいですね、ジュリエット・ビノシュ!さて「イングリッシュペイシェント」、ジュリエット・ビノシュが主役じゃないんですね。


in2

第2次大戦の末期、イタリアで看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュ)は身元不明で全身に火傷を負った男に出会います。彼の名前はアルマシー伯爵(レイフ・ファインズ)。彼は6年前、遺跡発掘を行っているアフリカの砂漠で、若い人妻キャサリン(クリスティン・スコット・トーマス)と恋に落ちた過去を持っていた。その彼がどうして大怪我を負っているのか、人妻とはどうなったのか、その過去が少しずつ明らかになります。ハナは一人留まり死を見取ることを決意します。


そこへどこからかその彼を恨みを持って一人の男が追いかけてきます。それに加えて爆弾処理の部隊長とハナが互いに愛し合います。彼らに触れて「イギリス人患者」は過去を途切れ途切れに回想し始めます。回想の中で颯爽と遺跡発掘に携わる彼と、火傷を負った顔で身体中に包帯を巻いて死にかけている彼、過去と現在、二つの話が奇妙に絡まりながら同時に進行します。やはりこの映画は、アルマシー伯爵と人妻キャサリンの不倫の物語であって、爆弾処理のインド人とハナの物語はほとんど付け足しです。人妻キャサリンの凛とした気品のある顔は素晴らしかった。清楚な感じの看護婦・ビノシュは真っ青です。

in1

とにかく砂漠の映像が美しく素晴らしい。インド人とハナの教会デートのシーンは最高でした。アルマシーとキャサリンの入浴シーンや、クリスマスの会合を仮病を使って抜け出して二人が廊下の隅で抱き合いシーン、いやー見事でした。「幸せの理由は?」「あなたがここにいるから」「不幸せの理由は?」「あなたがいなくなるから」、映画の中の名セリフは歴史に残ります。戦争映画は数々ありますが、さすがは第69回(1996年)アカデミー賞9部門受賞作の映像叙事詩、いい映画でした。