日本未公開映画の傑作『CHRONICLE / クロニクル』(追記あり) | クラッチCINEMAs

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基本はレビューです。無駄な事は書かないように心がけています。
記事はiPhoneで作成しているため、PCでは見辛いかもしれません。
頻繁にも記事に訂正、追加を入れる事があります。

ついにAmazonから届きました。

『CHRONICLE』
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日本では未公開の映画なんで、輸入品のBlu-rayです。
UK版には日本語字幕、日本語吹き替え、日本語メニューが対応されています。

私が購入したのはUS版のため、日本語対応はされていません。みなさんも購入時には注意してください。

ちなみにUK版パッケージはコレ↓です
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Blu-rayの仕様については以上ですのでレビューに触れます。


まず、クロニクルとはどんな映画なのか?といった所を…

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主人公は高校生3人です。
・いじめられっこで非モテのアンドリュー デトマー(写真中央)
・アンドリューの従兄弟であるマット ギャリティ(写真右)
・学校の超人気者である黒人のスティーヴ モンゴメリー(写真左)

この3人が、地下洞窟で発見した不思議な結晶によって、物体を動かす事が出来る超能力(テレキネシス)を身につけてしまう…という話です。


この映画の大きなポイントは、マンガチックな内容のSFに視点を変えて、斬新かつリアルな作品になっていることでしょうか。

“視点を変える”とはそのままの意味で、通常の映画とは違い、主人公や街の市民がiPhoneなどのカメラで撮った映像で編集された、いわゆるP.O.V映画です。
関連する映画でいえばパラノーマルアクティビティとかクローバーフィールドなど

この映画は主人公3人の高校生の内の1人、アンドリュー・デトマーの心情によって、物語の最初と最後のギャップが激しく変わります。

↓予告編貼っておきます



ここからはストーリーに触れるので、ネタバレを含みます!


病気の母親と、家庭で暴力を振るう元消防士の父親の下で生活している主人公、アンドリュー・デトマー。
買ったばかりのカメラで生活の全てを撮影するアンドリューは、学校ではイジメにあったりと苦しい学校生活を送っていた。
そんな中、従兄弟のマット・ギャリティからの誘いでパーティーに参加し、そこで学園の人気者のスティーヴ・モンゴメリーに出会う。
そして3人が、不気味な音をたてる地下洞窟で見つけた結晶に触れしまい、超能力を身につけるあたりから話が大きく進んでいきます。

アンドリュー達が手にした能力は、物体を動かす<テレニネシス>と呼ばれ、その能力は使えば使うほど強力になり、始めは投げたボールを止めるものから「ぬいぐるみを動かす→車を動かす→自分を浮かせて空を飛ぶ」など、最初はイタズラ程度だったものが次第に自分でも考えられない程に強くなっていき、時には取り返しのつかない事もしてしまう。
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スティーヴは能力を使って、アンドリューを“学園の人気者”にしようと、学園のタレントショーに誘い、見事にアンドリューはスティーヴと同じく学校の人気者の仲間入りを果たした。

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ここまでなら、わりと青春映画なんですが、ここからが本番ともいえるところです。

それら全ての様子をカメラで撮影していたアンドリューは、その事を父親に知られてしまい、暴力を振るわされてしまう。母親の病態悪化のストレスからも、アンドリューの怒りが能力と共に暴力的に変化し、ついには人殺しに手を出してしまうほどに暴走してしまう…。

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以上ですが、私が去年にこの映画を見ていたら確実に2012年で最も面白い映画として挙げていたでしょう。

最初にも書きましたが、この映画は最初から最後まで劇中内のカメラによる映像で構成されています。3人が超能力を身につけてからは、“カメラを能力で浮かして撮っている"ので、3人が同時に映っているシーンも違和感なく見れるとこは良いアイディアだなぁと。

何より、アンドリューの心情がカメラの映像のブレや音のノイズとなって影響されているのが面白い。


この映画の監督はジョシュ・トランクという人で、『クロニクル』が長編映画デビューになります。
監督も脚本家も役者も無名で、かつ映像面も低予算なのに、これほど面白いSF作品を撮れるのは素晴らしいですね。
その事もあってか、現在は『ファンタスティックフォー』のリブート作、スパイダーマンの宿敵ヴェノムのスピンオフ映画、ゲーム『ワンダと巨像』の実写映画など、多くのオファーもきているようです。

それと、監督ご本人も言っている事ですが、『クロニクル』は漫画の『AKIRA』からリスペクトしている部分が非常に多いです。内容がマンガチックと言ったのもソレ。

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現在日本未公開というのは非常に勿体ないですね。
一応、映画サイトには2013年公開となっているんですが、配給もまだ決まってないため、信憑性は微妙なところです。

UK版はAmazonで何人かの出品者が出していますが、結構注文する人が多いみたいで競争が激しかったりもします。
そこを狙って高価な値段で売る出品者もいますので、別のとこで買うのがベストかもしれないです。


-追記-

もう伝える必要はないと思いますが、クロニクルが首都圏限定で9月27日から日本での公開が決定しました。
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自分は関西住みなので、鑑賞できないのは残念ですが、首都圏公開での反響次第で、拡大公開する可能性は十分にあり得る話なので気長に待ちます。
映画館で観れる人が本当に羨ましいですね。

輸入版Blu-rayも、現在はAmazonだとかなり格安で買えますし大丈夫そうです。

なんですが

内容は輸入版と変わらないみたいですが、日本版のBlu-rayの販売予定もアナウンスしております。パッケージデザインは若干変更されてますが。

ちなみに、クロニクルの公式Twitterには、拡大公開をほのめかす発言が…

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↓では最後に日本版予告編も貼って終わります。