18年前の上海で。 第2部。 | pacoの日記

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小さな港町
からの
ひとりごと





第1部はこちら↓










カーテンの隙間からの薄い光で


目が覚めた。


一瞬、自分が何処にいるのか


分からない感覚だった。




白い壁を見て、




『あぁ、上海だ。』






変な話だけど、上海は「壁」が日本と違う。


微妙な感覚だけど、コンクリートの質感が違う。



専門家では無いけれど、上海に来て


まず壁を色々と見てしまった。



土や砂利やコンクリートの配合具合が違うのかな…?





音の無いホテルの部屋では


旅行なのに、


アラーム無しで朝6時くらいに


目が覚めた。





昨晩の怒涛の腹痛の後、


ゆっくりと身体を起こすと


何故か腹痛が


ひどい筋肉痛に変わったようなえーん


そんな鈍痛を、お腹に感じる。




まるでさっきまで(夢の中で、だが)


ずっと馬に乗り続けた際におきた


筋肉痛のようだった。





『なんだったんだろう…あの夢は。。』





ぼんやりベッドで考えた。




別に馬が大好きなわけでもない。



乗馬といえば昔、


六甲カントリークラブで


小学生のころ乗馬体験をしたのみ、だ。





少し猫背気味に立ち上がって


げんなりした気分で、


シャッ!とカーテンを開けた。




スモッグで霞む朝日の光の先、


広い公園が見えた。





双眼鏡はないから、


両手の指で輪っかをつくって目に当てて見る。




昨晩の屋台とか何も無くなった


静かな朝の公園でーー



数人のオバチャンたち。




スローなモーションで 太極拳。





思わず私も部屋の窓辺で、


彼女たちの動きをまねしていた。





頭では



『残念だけど… 今日は団体行動は無理かな。。


体調が悪いし、今日の予定はキャンセル。


一人でホテルにいます。


そうガイドさんに伝えなきゃ。』



そんな風に冷静に寂しく、


考えた。




そして朝ご飯のぬるいお粥を食べに、


部屋を出た。






2日目の予定は、




☆ 上海の川を船で渡って、

     向こう岸のあのビル街を散策



☆ オプショナルツアーで

    船が嫌な人は、上海雑技団の公演を見に行く




そんな感じだった。






腹痛で鈍痛がまだ残っている私は、


『もしかしたら、下痢ルかもえーんあせる』という


トイレ面での不安があった。


船の途中で腹痛が来てもヤバいし。




上海雑技団なんて‼︎


あんなアクロバティックなものを見てたら


何となく腹痛・筋肉痛も酷くなりそうな予感も汗





それに… …


もしかしたら、盲腸⁉️


もしかしたら昨日食べた鯉が半生で、


アニサキス・寄生虫の痛みなん⁉️


上海に来て私、


謎の腹痛で死ぬんちゃうん…⁉️ガーン




そんな不安が、怒涛のように押し寄せた。





一人旅だし言葉が出来ない、


現地に知り合いもいない。


誰にも相談出来ない…。





皆が楽しそうにワイワイ、ガヤガヤと


ガイドさんの行動日程説明を聞く中、


私だけ、


物凄く暗い気分だった。






グループ分けなどが終わってガイドさんが、


「じゃあ9時にはホテルの前にバスが来ますから!


皆さん集合してください!」



そう告げると、



やっとガイドさんに話せるタイミングが来たーと


私は小走りしていった。




そしてまずは、


昨晩の夜中に電話をかけたお詫びを言った。





ガイドさん:


「大丈夫デスカー⁉️    心配シテイマシタヨ!」




私:


「お薬で少しはマシになったんですが、


まだ体調も悪いので今日はずっと、


ホテルにいることにします。」




ガイドさん:


「どこか? どこイタイ?!」



私:


「ここ、です。(とお腹をおさえてジェスチャー)」



ガイドさん:


「ズット?! まだイタイ? クスリイルカ?!」




ガイドさんは私の返答を聞くと、


それまで流暢に話せていた日本語がなくなって、


顔は険しく。




急に上海語みたいな?!


まくし立てるような日本語に変わった。




トーンが上海語&関西弁のスピードの日本語で、


もう何言ってるんか分からないのなんの(笑)





私は頭がクラクラしながら、部屋へ。


ガイドさんは予定に追われてイライラしながらもー


皆のツアーの方へと行ってしまった。。。





(後編へ つづく。)