見えなかったものが見えてくる。 | 日々着物専門店「呉服の佐々木」若女将記♪

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職人さんが丁寧に作る「モノづくり」を代々大切に考えて参りました。心がはっとするような「和のもの」や「きもの」。
まだまだ修行中♪の若女将がご紹介します。

涼しい福井です。暑い日が到来し、もう袷はお仕舞い。。と思っていましたが、

 

本日は、単衣の襦袢、袷の着物に、袷の帯を合わせました。

 

ただ単に、こちらの帯を締めたかったという理由です(笑)。

 

こちらの帯は、これまでの十数年。

数回、目には入っていましたが、全くその魅力に気が付かず。

スルー。

それどころか、この帯は好きじゃない。とさえ。

 

年齢を重ねたからなのか、

眼が出来てきたのか。

 

 

一番お伝えしたいのは、今は、好きじゃないと思っても、

着物に関しては、簡単に手放さないほうが良いように思えます。

 

なぜなら、感性や、見る眼はどんどん進化し、

年齢を重ねることで、似合うものが変化していくことも挙げられます。

 

若い時には、なんて変な帯(ごめんなさい)とまで思っていた帯が、

 

今では、締めたくて仕方がない(笑)

 

主人に確認すれば、

ろうけつ染めだろうから、ものは良いものだ。。

 

 

「赤」という色は、何とも不思議です。

これは茜色と言った方が良いかもしれせんが。

正直に言うと、

嫌いな色でした。野暮ったい色の代表のように感じていました。

紬には必ず赤の八掛。のようで。

 

ところが、年齢も、若いとは言えなくなってきたこの頃。

この赤、茜色、朱色がとても、心に刺さります。

 

肌につやが無くなり、肌のたるみが気になり始め、

うっする老眼じゃないか??と思い始めたこの頃。

なくなった艶を補う色。なのでしょう。

 

 

そして、色だけが問題なのではありません。

 

染めの重厚感、ろうけつ染めならではの深み、味の土台があってこそ。

その土台があることも見えるようになったからこそ。

 

心に刺さる一品へと変身をとげたのです。

物は変わっていません。

変わったのは、私だけです。何とも不思議じゃないですか。

 

 

見えなかった世界が、見えてきます。

 

だから、特に振袖などお値段の張るものは、

お母さま、おばあ様、人生のずっと先を歩んでこられた方の眼も大事になるのだと思います。

 

若い方が、軽やかにワンピースを選ぶのとはちょっと違うんです。

 

改めて、タンスの着物を見てみれば、大変身するものがあるかもしれませんよ。

お持ちの着物(笑)。

 

着物には、そんな愉しみ、魅力もあるのですね。

 

タンスの着物の分からないこと。相談会。

責任をもってお答えいたしますも、させて頂いております。

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