寂しさは その色としも なかりけり

            まき立つ山の 秋の夕暮れ  (寂連・新古今集)

 

心なき 身にもあはれは 知られけり 

            しぎ立つ沢の 秋の夕暮れ  (西行・同)

 

見渡せば 花ももみぢも なかりけり 

            浦のとまやの 秋の夕暮れ  (藤原定家・同)

 

※ 「秋冬」の詩はあまり好まれず、作るのも難しいそうであります。

 

  とにかく「寂しい」。古人はこの閑寂ぶりを好んだようです。

 

  今人は「春夏」のほうを好みがちにあるのでしょうね。