君がため 手力つかれ 織りたる衣ぞ 

            いかなる色に 摺りてばよけむ   (万葉集・巻七)

 

信濃路は 今の墾道 刈株に 

            足踏ましなむ 沓(くつ)はけわが夫 (同・巻十四)

 

稲つけば かかるあが手を 今宵もか

            殿の吾子が 取りて嘆かむ        (同・巻十四)

 

 

※ これらは庶民の素朴な「恋の歌」の類いでしょう。何やら現代の歌謡曲の詞にもありそうですね。

三首目などは『あゝ野麦峠』という映画によく似たシーンがみられました。