日本人はみずからを自然と孤独の愛好者であると考えることを好む。日本文学の有名な作品のいくつかは、「世を棄て」隠者として生きることを選んだ人々によって書かれてきた。西行はその一人で、彼は次のように詠んだ。

 

  遥 か な る 岩 の は ざ ま に 独 り ゐ て

          人 目 を 思 は で も の 思 は ば や

 

            (ドナルド・キーン著 『果てしなく美しい日本』講談社)

 

※ 「隠者」的な人物は、今ではきわめて希少にはなったとも思われます。また現在、何も無い在所などに一人孤独に過ごす人の動画なども少しみたりもしますが、たとえば食事などの光景を流してばかりで、何と言いましょうか、風流、古文芸に凝るなど、精神の高い生活ぶりというものが余り感じられないというのが率直な感想です。あくまでも私の「個人的」な感想ですが。