かなり日付が空いてしまい、申し訳ございませんでした。

シリーズでお伝えしております、「あれから6年...福島県の今」。最終日・4月1日(土)の様子をお伝えしていきたいと思います。

前日・3月31日と、4月1日。福島県で大きな変化を迎えた町に行ってきました。

大きな変化を知らせる旗。6年ぶりの運転再開となりました。

JR常磐線の列車が、この日から浪江駅まで運転されるようになりました。
南相馬市の原ノ町駅を出発し、昨年夏に避難指示が解除された南相馬市小高区を経て、3月31日に避難指示が解除された浪江町の浪江駅へと向かいます。

運転再開初日。この日を待ちわびた浪江町や南相馬市の方々や各関係者などで車内は混雑していました。地元の方による常磐線への、更には復興への期待の高さが窺えました。

原ノ町駅を出発してから約20分。

浪江駅に到着しました。駅のホームには、地元・浪江町の住民や報道関係の方々、更にはJRや地元の関係者で溢れかえるほどの混雑ぶり。まさに大にぎわいでした。
2011年のあの日以来、6年ぶりに浪江駅に列車が帰ってきて、またひとつ震災前の姿が戻ってきたことになります。

避難指示解除から1日が経った浪江町。これは、浪江町だけの問題ではありませんが、避難指示が解除されたと言って、インフラの未発達や各個人あるいは家庭の事情などから、帰還をしない選択をする住民も少なからずいます。これからどれだけの方が、また浪江町に戻ってくるのか、戻って来られるのか。事情も踏まえると、とても予想なんてできません。強いて言えば、インフラがどの程度、元に戻るのかにかかっているのかもしれません。

しかし、浪江町を歩いてみると、そんな希望とは程遠い現実が広がっていました・・・。


大きく傾いた民家。立入禁止の貼り紙も貼られ、行く行くは解体されていきます。

こちらは病院のようですが、全く機能していません。所々に草も生い茂っています。
欠かせないインフラのひとつが、病院などの医療機関です。かつては浪江町の医療を担っていたであろうこの病院も、今ではこんな状態。医療機関の整備が進まないことには、帰還を推し進めるのも、限界があるように感じます。

更に、病院と同じくらい重要なインフラとなるのが、「教育」の場です。こちらは、かつての幼稚園ですが、草が生い茂って、無惨にも放置されています。
先に避難指示が解除された楢葉町でも、教育機関の再開は遅れをとりました。このことも、住民の帰還が足踏み状態になってしまっている一因です。

さて・・・しばらく歩いてみると、

「サンプラザ」という商業施設が見えてきました。こちらも現在は営業休止中です。
震災前は、相双地区の一大商業施設で、スーパーマーケットはもちろんのこと、マクドナルドやフィットネスクラブ、更に家電や携帯電話、DVDなどあらゆる商品を扱う店舗が入居していましたが、現在はそれぞれ長期休業を余儀無くされたり、あるいは全く別の場所に移転したりなど、店舗によりそれぞれ新たな選択をしています。


壊滅的な影響を受けたのは、サンプラザだけではありません。小さな町のお店も、傾きや爪痕が大きく、とてもすぐに営業ができるような状態ではありません。

危険防止のためのテープも。そばを歩くだけでも用心してしまいます。

更に、意外な?形で、6年前のままの物を見つけました。

それが、自販機です。2011年当時のままですので、その当時の商品もそのままであり、更に値段を見てみると、「120円」が目立つなど、消費税率8%に引き上げられていないことがよく分かります。

このように浪江町の至るところでは、2011年のあの日から手つかずになっている姿があちこちで見受けられていますが、一方で新たに歩み出している姿もありました。

それがこちらの、仮設商店街「まち・なみ・まるしぇ」です。大手コンビニチェーン「ローソン」の店舗や、地元の商店が複数に集う仮設の商店街で、現在の浪江町における重要な商業拠点の場所になります。

こちらの中にある飲食店では、浪江町名物の「あるグルメ」が味わえるのです!

そのグルメというのが・・・

こちら!!!
「なみえ焼きそば」です。

濃厚ソースとモチモチの太麺がよく絡みに絡んだこの焼きそばは、浪江町を、ひいては浜通りを代表するB級グルメで、全国的にも人気が高い人気のグルメでもあります!
濃厚な味とはいえ、辛さはほぼ無く、老若男女問わず食べられる一品です。ごちそうさまでした!

「なみえ焼きそば」は、今や福島県内だけでなく全国的にも有名なB級グルメです!なみえ焼きそばの知名度が上がるということは、浪江町の知名度も上がることにつながります。
その、浪江町もようやく復興に向けた大きな一歩を踏み出せたような気がします。まだまだ程遠い道のりですが、これからも浪江町、浜通りの復興を応援し、見つめていきたいと思います。

さて、6日間に亘り、福島県各地を回ってきましたが、やはり感じるのは、6年経って進んだことと進んでいないことがそれぞれ明らかになっていること。それから、美味しいものがたくさんあるということ。自然が美しいこと、そして、人が温かいこと。
事前に調べてこそいたものの、それでは分からなかったこと。新たな発見も様々ありました!さすがは広~い福島県。奥深いです。

福島県には、誇れるものが沢山あります!
福島県は、魅力いっぱいの素晴らしい場所です!
しかし、6年が経った今もなお、「福島」というだけでの風評被害で苦しんでいる方々も少なくありません。
福島県には、そんな悪い風評なんかに負けない魅力が、宝物がいっぱいあります!
これからも、このブログやTwitterなどを通じて、福島県のいいところを、他県民視点にはなりますが、紹介して、広めていきたいと思います。

最後に、
【今回巡った、福島県の市町村】
赤字の箇所が今回巡った市町村になります。


そして、【今回までに巡った市町村】

これからも、頻度こそ多くないかもしれないですが・・・ 浜通り、中通り、会津。福島県内各地を回っていき、福島のいいところを見つけていきたいと思います!

長期連載になりましたが、お読みいただきまして、ありがとうございました。