「クーヘ・ハージェから南ペルシャへ」の旅 トイレとシャワー | とのとののブログ

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 最後はトイレと風呂(シャワー)の話を。

 

 イランにはというか,中近東にはというべきかはっきりしないけど,トイレに男性用小便器というのがない。トイレは個室が並んでいて,イラン式トイレというか,和式トイレの金隠しがないものになっている。紙は使わず,排便後はお尻を水と左手で洗う。水洗式トイレも多いのだけど,なぜか水が流れないものも多い。元栓が閉められているようで,栓を開けても流れない。しかしさすがにお尻を洗う水道は出なかったことがなく,小用であればこれで十分流せる。

 

 なぜ男性用がないのか帰国して調べると,なんと「イスラム教では,たとえ男性でも,大小に関わらず,座って用を足すことを良しとしている。そうすることで、最も完全なかたちで体内のものを排出できると考えられているからだ」とあった*。更に「また,これも大小用に関係なく,用を足した後には水で局部を洗い清める決まりがある」とか。

なるほど,それで個室でないとダメだし,洗浄用水道がでないことはありえないわけだ。ここには他の決まりも載せられており,「トイレには左足から入る」や「用便の際は,頭も尻も聖地メッカに向けない」もあるとか。うーん,入る足や方角は全く意識しなかった。

 

* https://withnews.jp/article/f0161014001qq000000000000000W03510801qq000014139A

 

 排便の後に左手で洗い流すは,衛生的には危険な気もする。健康な人の小便は無菌だから大丈夫だけど,大便の後は石鹸できれいに洗浄(殺菌)しないとまずいんのでは。まかり間違って目をこすったら,失明につながる可能性もある。中近東に眼病の人が多い(多かった)のは,砂が舞いやすいからと言われていたけど,排便後の処理にも一院あるのではないか。

 

 次に,ホテルには洗面所・風呂(シャワー)・トイレがあるが,期待通りトイレはイラン式。そして,シャワーの周りに囲いがない。排水溝さえない場合がある。つまり。シャワーを浴びた後の水は全てトイレに流れ込む。合理的といえば合理的だけど,なんか釈然としない。

 

 海外からの旅行者を意識した場合は,イラン時トイレに洋式トイレもつく。しかし,シャワーの周りに囲いがないため,排水がイラン式トイレに流れ込むのは同じ。うーむ。なかなかこういう発想はできない。

 

 最後にトイレについてもう少し。先に書いたように,男性用も小便器がなく,トイレの構造は女性用と同じ。そのためか,トイレが男女で分かれていないところがあった。つまり,女性が用を足す隣の個室で男性が用を足すことがある。イスラムは男女を厳しく分ける印象あるけど,先に引用したように,どちらもしゃがんで,用を足した後は水で洗うスタイルが同じ。排泄の前に区別なし。これは男女平等の理想像でしょう。昨今,Twitterに女子トイレに関する「論争」が流れてくるのをみるので,特にそう思う*。どうやら,LGBTTの方,「体は男性だが性自認は女性」という方が,女子トイレに入るのを「体も性自認も女性」の方が「怖い」「嫌だ」と声を上げたのが発端らしいです。

 

* よく知らないから深入りしないが,LGBTTの方,「体は男性だが性自認は女性」という方が,女子トイレに入るのを「体も性自認も女性」の方が「怖い」「嫌だ」と声を上げたのが発端らしい。

「女装した男子が入ってくるのは嫌だ」「見かけも服装も男性だが,性自認は女だと言われて入ってきたら,どうする」「それ(性自認)はどうやったら確認できるんだ」「そもそも,女性とは性自認が女であることなのか」など,多岐の論点があるらしい。

 

(以上)