窓ぎわのトットちゃん
著者:黒柳徹子
出版社 ‎講談社 (2015/8/12)
発売日 ‎2015/8/12
言語 ‎日本語
文庫 ‎384ページ



本の概要
戦後最大のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』。単行本、文庫、絵本の国内の累計は800万部! 世界じゅうで愛読されています。本書はその新組版。字が大きく絵も鮮やかになりました!トットちゃんがユニークな教育のトモエ学園で、友達とのびのび成長していく自伝的物語。深い愛情で子どもたちの個性を伸ばしていった校長先生が、トットちゃんに言い続けた言葉「きみは、本当は、いい子なんだよ」は、今も黒柳徹子さんの宝物です。

「きみは、本当は、いい子なんだよ!」
小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういった。
「そうです。私は、いい子です!」

トモエ学園の個性を伸ばすユニークな教育と、そこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。字が大きくて読みやすく、絵も鮮明に美しくなった新組版が登場!




タイトルも著者も知っていたけれど、こんなに興味深い内容とは知らず、もっと早く読んでいたら、自分の子育てに良い意味で勉強になったかもしれない、などとタラレバが・・。


あの時代、トモエ学園、小林校長先生の教育における信念がブレることなく実行できていたことが凄いと思う。
いや、あの時代だからこそできたことなのかもしれないとも思う。



何もかも同じように教育されていた時代だと思い込んでいたが、新しい風を取り入れることを怠らない先人たちは、いつの時代も存在して、だからこそ、時代の有り様は変容していくのだと実感した。


強い個性は、集団の中では息苦しく、集団からは弾かれやすい。これは、昔も今も変わらないことで、悪いことでもない気がする。ただ、強い個性を持って生まれてきた人間が、社会生活を過ごせるようになるためには、やはり教育は必要になるのだろう。
その指導者、教育者を探すのはとても、難しいだろうし、その前に親となった時、その個性を受け入れられるのか?受け入れてもどのように導いてあげられるのか?親だって難しいし悩ましい。



トットちゃんは、両親に恵まれていた。特に母親はトットちゃんの個性を認め受け入れていたように感じられた。しかし誰もが、トモエ学園に通えるわけでもなく、理解ある親がいるとも限らない。


こどもの力を信じて見守るということは、当たり前のようで、我が子のことになれば難しい気もする。





それは、わたしの子どもが『変わった子』であることで、悩み続けた過去があるから。
他人から見ると、『素晴らしい!』と拍手を頂くことがあったが、いざその友人に「自分の子どもであったらどう?」と尋ねると、悩ましげな顔をして言葉が続かなくなるという流れが多かった。



こどもが伸び伸びと成長していく様子は、はたからみると微笑ましいが、子どもは伸び伸びと!と思ってはみても、受け止め方は人それぞれなので難しい面もあるし、特にいまのSNS社会では息苦しかったり恐怖にも感じることもある。




あとがき
「私ってLDだったの?」と、このことを、もう少しくわしく、私の『小さいときから考えてきたこと』(新潮社)という私の本に書いたので、読んで頂いても、と思います。p372


こちらも、読んでみようかと思う。



何事にも興味を持つって、結構難しいんだと思った。だって、辛いことや悲しいことも含めてだから。
トットちゃんの素晴らしさは、そのあたりなのかもしれないと、勝手に想像してる。