大量閉店がニュースとなっているイトーヨーカドーだが、1980年代後半から21世紀に変わったばかりの頃はスーパー業界の雄として他のスーパーからお手本とされる企業であった。
イトーヨーカドーの主力業態はGMS、ジェネラルマーチャンダイズストアで、衣食住を自前で揃え商売するというもの。それぞれの構成比が10%以上というのが定義らしいが
他にGMS業態を主力にしていたスーパーは、ダイエー、イオン、マイカル、西友、長崎屋、ユニーなどがバブル期のナショナルチェーン上位企業だが、今その当時の経営母体で存続しているのは、イオンのみとなっている。
ドンキ、イオン傘下、ウォルマートいろいろ入り混じってきた。
リージョナルチェーンでは、イズミ、平和堂、サンエーなどがGMSとして頑張っている。イズミヤ、フジなどはどこかの傘下入り。
ライフやオークワ、ベイシア、トライアルなど衣料を扱う企業もGMSではなくSMやスーパーセンターなどの業態に転換しつつある。
恐らくは各社イトーヨーカ堂の経営手法は参考、研究していたはずだ。
しかし、そのヨーカ堂が存続の危機に陥っている。
まあ、こうなることはリーマンショックの頃から予想できた。
イオンもGMSだが、一時不振に陥ったが盛り返してきている。
何が違うのか?
2社ともGMSでショッピングセンターを運営し同じように見えるのだが、大きく異なる点がある。
それは出店戦略と商品構成グラフだ。
出店戦略においては、イオンは郊外ルーラルが基本だが、IYはアーバンが多い。
商品構成グラフは各品種毎にX軸にプライスライン、Y軸にアイテム数を置いたグラフなのだが、イオンは基本に忠実というかペガサスの渥美理論を守り、上の方のプライスゾーンはテナントに任せている。片やIYはジュニア百貨店の意識が強いのか商品構成グラフの山が右寄り、つまり全体的に価格が高くなっている。
それは付加価値をつけて右寄りにするという意図があったのだろう。
しかし、デフレ経済の下、逆行するようなMD方針、雨後の筍のように頭角を現してきたディスカウントを基軸とする企業、業態。
頑なに自主MD、付加価値の追求をし続けた結果、GMSという業態自体のすたれと共に転落の道を歩んでいった。
長々と知ったか解説してしまったが、何がタイトルの本格的にやばくなってきた事かと言うと、
商品券セールをやり出したのだ。
3000円毎に500円分の還元、商品券以外にnanacoも選べるが
潰れる企業が断末魔の叫びのようにやる、真水の悪魔の販促手法だ。
これやっちゃ、おしまいよ。
まあ、しかし時代の波に乗るって本当に大変だね。
乗り遅れると、立派な豪華客船でもずんずん沈んでいくんだなあ。