タイヤの脱落事故について | とんきちのブログ

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北海道でジムニーの左前輪が外れ、女の子に当たり意識不明の重体。その直後にもジムニーからタイヤが外れ後続車に向かっていくような事故、青森八戸での大型トラックのタイヤが外れ道路工事作業に携わっていた人に直撃し死亡事故。

 

というような事故が頻発している。

 

冒頭の北海道のジムニーの事故の件は、ネットでも様々な論議を呼んでいる。

 

報道されている映像などを見る限り、

あのジムニーは違法改造車だというのは一目瞭然だ。

片側数cmはあるオーバーフェンダーつけてのハイリフト車。

ハイリフト自体は灯火器が保安基準に適合すれば違法ではないが、数cmのオーバーフェンダーを付けていて、黄色ナンバーの時点で構造変更の申請とかしていないのがわかる。

 

そのオーバーフェンダーをつけるに至っているのは、トレッドを拡大して車幅がひろがっているから、それを広げるためのツールが、通称ワイトレ、ワイドトレッドスペーサーというものだ。

 

このスペーサーには二種類あって、元々のハブ面とホイールの間にかますように挟む円盤状の金属の板、これらは通常2~5mmの厚さのものが市販されている。

私もアルファードに乗ってる時に、3mmのものをつけていたことがある。

 

もう一つのタイプは、元々のハブボルトにスペーサーをナットで固定し、そのスペーサーから出ているボルトにホイールをとめるというタイプ。

これは厚みを自由に設定できるというメリットがある反面、取り付け強度とか信頼性には不安がある。

 

前者のスペーサーは構造的には簡易で強度も高いのだが、あまり厚みのあるものとなるとハブボルトの長さが足らなくなる恐れがある。

 

後者のものは、きちんとしたものをきちんとした要領で取り付ければ問題は起こりにくいが、アフターパーツで売られているワイトレスペーサーの中には、強度設計なんかしておらず形だけそれなりになっている物もある。特にスペーサー側のハブボルトの強度や工作精度が悪ければ当然脱落のリスクは上がる。

 

又、ワイトレスペーサー自体の問題ではなく、ナットの問題もある。

まあ、あそこまでカスタムする奴で知らん奴はおらんとは思うけど、ナットの形状やネジ山のピッチははメーカーや車種により異なる。

トヨタと日産ではどちらも違うので、この2つのメーカー間で乗り換えた時にナットがそのまま使えない。

おおまかに言えば、トヨタは平面座、ホンダが球面座、日産他60°テーパードとなっている。

しかし、私のV37スカイライン君はなんと平面座だ。エスティマ君で履いていたスタッドレスに履き替えようとした時に、日産純正アルミは社外アルミで使われてるのと同じテーパードだからナットはそのまま使えると思っていたのだが、

 

あれれれ

 

ナットが平面座になっているではないか?

どうもフーガとスカイランが平面座になっているようだ。

ということで交換を中断し、オートバックスにテーパードの日産ピッチのものを買いにいくはめになった。

結局昨シーズンはスタッドレスに交換することなく終了した。

 

今シーズンは嫁はんのタントを下取りに出す時にスタッドレスを履かせて嫁に出し、履いていた9分山タイヤをアップフガレージで4000円で売り飛ばしたため、手元にはエスティマ君で履いていたスタッドレスしか残っていない。

なので今シーズンの降雪予報が出そうな時は、スカイライン君にスタッドレスを履かせないといけない。

ブレーキローターに干渉しない事は前シーズンに確認済みなのであとは交換だけ。

 

と、自分語りになってしまったので話を戻すが、

ナットの形状だけでなく材質も問題だ。

アルミ製の赤とかゴールド、ブルーのカラーのやつ。

あれは気をつけないとダメだ。

アルミは素材自体が鉄よりも延展性があるため伸びるリスクを伴う。経年変化で新品購入時よりもネジ山ピッチが狂っている可能性がある。

すると緩みやすくなったりするリスクが増加する。

私なら絶対にアルミナットは使わない。

 

またナットの締め過ぎにも注意が必要だ。

規定のトルクというものがあり、締め過ぎるとねじ山をねじ切ってしまうような力が加わる。

車載工具のレンチに乗って思い切り締める。なんて言語道断だ。

その上でジャンプまでして締め上げるってのは自殺行為だ。

 

YouTubeでワイトレスペーサーやカスタムが悪いことではないのに、それらが悪いことにされてる的な擁護コメントをしている人がいるが、それは保安基準にのっとった形で合法の範囲内でやるのであればOKだと私も思う。

 

しかし、北海道の女児意識不明重体案件の車に関しては、あかんやろ。

片側数cmはみ出したオーバーフェンダーつけて、バームクーヘンみたいな厚さのワイトレスペーサーがついていたから明らかな違法改造だ。カスタムとは言えない。

車検を受けて通った後に改造したらしい。

あかんやろ。

 

バイクのマフラーの音に対しては、結構厳しい取り締まりが行われている。純正のマフラーなのに停められて音量測定されるとか。

けど旧車会のようなものは取り締まらず放置。

 

ジムニーでよくハイリフトのカスタムしている車をよく見かけるが、言っちゃ悪いが90%以上はまともな人が乗っていない。

自己中で自己顕示欲が強い奴が多い印象だ。

障碍者用駐車スペースに平気で停めたり、駐車枠をはみ出して止停めたり、買い物カートなんかも車のすぐそばに放置して帰る。というような奴らばかりだ。

 

なんか色々書いているうちに腹が立って脱線ばかりしているが、あれだけの厚みのワイトレスペーサーつけたら元々の車のキャンバー、トーの動きがかわってくるわけで、やるのであれば色んな調整が必要になってくる。

 

また、脱落が左側に多いということも注意しなければならない。

ネジの回転方向とタイヤの回転方向の関係で、進行方向に対して左側のナットが構造的に緩みやすい。

 

トラックなどの大型車でも先日タイヤが外れ道路作業をしていた人に当たり死亡させてしまったという事件があったが、あれは昔なら起こっていなかったかもわからない。

 

というのは、大型トラックのネジ山って昔はJIS規格で右側とは逆ねじだったようだ。

それをいつか忘れたが、欧州主流のISO規格に変更したのだ。

その時は、それがどういう影響を及ぼすか知識もなかったので、ふーん、そりゃ世界の基準規格に合わせんとあかんやろなくらいにしかニュースを見ていなかったのだが、ここ最近のタイヤ脱落ニュースを見て、その規格変更の重大な意味がわかってきた。

 

特に日本の場合、左側通行ということも影響している。

日本と同じ左側通行は英国や元英国領土的なところだけだ。

何が関係あるのかというと、

左折する際に鋭角的に回らなければならない、道路には雨水をはけさせるために外側に傾斜がついている、そして構造上順ねじではナットが緩みやすくなるという条件が重なって、大型トラックなどでは左後輪の脱落が最も危険なのだ。

 

今からでも遅くない。

JIS規格に戻せよ。

でないと、これから脱輪事故もっと増えてくるぞ。