昨年観た、映画のことを、昨日に続き、当面、書き続けたいと思います。


門脇麦の演技以上に、引き込まれた演技で、忘れられないのは、池脇千鶴と綾野剛の切なくも、北海道函館を舞台に、生きる場所のない男女の出会いを描くラブストーリー、呉美保監督作品の「そこのみにて光輝く」。





池脇千鶴は、「ジョゼと虎と魚たち」の時も衝撃的でしたが、それより10年経ち、今作で、さらに、家族のために、自分を犠牲にして、生き方に不器用な弟、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親を支え、必死に生きる千夏を、見事に演じていました。


ある理由で、仕事を辞めて何もせずに生活していた綾野剛演じる達夫との男女の愛の軌跡と人生の過程が、今も、とことん、心に突き刺さっています。


それもこれも、今作で、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞など数々の賞を受賞し続けている呉美保監督の力量、そのどこまでもリアルな舞台、最後まで、息もつかせないような展開を演出が、2人の演技共々、光輝いていました。