ハーレムを舞台に、過酷な運命を生きる16歳のアフリカ系アメリカ人少女、クレアリース“プレシャス”ジョーンズの人生を描く人間ドラマ、映画「プレシャス」を観ました。


母からの虐待、実父の子どもを2人も生み、希望のない毎日。


厳しい環境に立ち向かうプレシャスがどん底から這い上がる姿、そんな過酷な状況を抜け出すのは、数少ない信じられる人(教師やソーシャルワーカー)を頼り、新しい環境を作って、そこで少しずつ仲間ができ、生活が成り立つようになる。


ダメな親は捨て、自立、なかなかできそうでできないことだけれど、とてもシンプルな姿でした。


この映画では、虐待する母親の心情がラストにはっきりと明らかになるところが秀逸。


プレシャスの明るさに、映画全体として、かすかな救いがあります。


長引く不況、恵まれない家庭環境が増える日本でも、親から子への虐待は、少なくないと想像します。


そんな環境に育った方に、ぜひ薦めたい骨太映画、スッピンのマライア・キャリーの演技も、気合が入っていて、とても印象に残りました。