大相撲の八百長問題が、連日報道されています。


相撲は、色艶のいい立派な体をした力士が土俵の上で四股を踏んだり、塩をまいたり、仕切りをしたりした、その所作の一つ一つが美しく、取組みの初めと終わりに力士が礼を交わすこと、勝っても負けても、相手に敬意を表すところが好きです。


今は、外国力士が増えてはいますが、師匠の教えもあり、その伝統は表向きは、守られている気がします。


ただ、その「所作の美しさ」と「礼儀正さ」は今日の騒動を見るまでもなく、実際の相撲の世界も日本国内でも急速に失いつつあります。


以前、新聞の記事にあったことですが、『相撲と違って人生は勝負事ではないが、いつの間にか日本では「勝ち組」「負け組」という呼び方が定着した。そして、生き方の内容ではなく、お金や物で人生の価値を決める傾向が強くなり、それにつれて、自己中心的な生き方がまかり通るようになってしまった。「所作の美しさ」と「礼儀正さ」が失われているのは、実社会でも同じではないだろうか』という言葉が、あらためて胸に突き刺さっています。


さびしい社会にならないよう、生き方のその内容こそ、結果だけ求める現代社会のあり方以上に大切にされる、心の余裕のある社会に、日本も向かってほしいと強く願っています。


そこに、「所作の美しさ」と「礼儀正さ」があれば、さらに豊かな社会になるのではないでしょうか。