昨日の昼間、店近くのおばあちゃんが、カウンターに、1人で食事に来られました。


そのおばあちゃんは、僕が店に入ったばかりの20年ぐらい前には、近くの区民館で踊りの先生や仲間たちと昼間一緒に来て、お座敷いっぱいになるほど、明るく元気な人たちのリーダー的な役割でした。


そのおばあちゃんは、その頃、「昨日、銀行の窓口の子を泣かした」と言って、みんなで笑っていたのをよくおぼえているし、僕も、その頃、かなりからかわれつつ、叱られることも時にありました。


そのおばあちゃんたちも、1人、2人と、亡くなって行き、今は、そのおばあちゃん独りになってしまいました。


昔、肉屋さんを営んでいた商人であり、今は、自宅を建て替え、1階を貸し店舗にしています。


20年ほどは、人気の喫茶店が入っていて、家賃は、おばあちゃんのおこずかいになっていたと聞いていたのですが、建て替えの時に、道路のセットバックによって、店が狭くなり、続けるつもりだった、その喫茶店が続けられなくなり、ハンバーガー屋が1年弱、その後、内装を一新して、ダイニングのお洒落な料理店が1年ほど、居抜きで、設備そのままでそば屋が3ヵ月ほど、今は、そのそば屋が内装を変えると張り紙をして、もう3ヵ月はやってなくて、どうなっているか分からない状態です。


昨日、おばあちゃんは、「お客がいなくても、店を開けて、休まないのが大事なのに、今の人は、すぐあきらめる。その点、お宅は根性がある」と、いつも愚痴が多いのだけれど、いつになく、僕に、声をかけてくれました。


たしかに、僕は、用事がない限り休まないし、お客さんには言わないけれど、一昨日店が終わった後、豚汁用のごぼうを湯通しして残った沸騰しているスープを、疲れからか、左足の指に誤ってかけてしまい、やけどをおって、すぐ氷に1時間ほどつけても痛みが消えず、痛くてなかなか寝れなくても、次の日けろっと、足の指は水ぶくれでも店を営んでいて、休む気はないことを、おばあちゃんは、見透かしているよう。


妻は、心配して、病院に行くよう、言いますが、自分なりに痛みも、一晩寝て、ないので、何とか気合で働いています。


以前アルバイトをしてくれたいた子のお父さんが、大田区の町工場のプレスの仕事をして、よく指を潰してしまうことがあるそうなのだけれど、そのお父さんが潰した指を、ゴミ箱に捨てたという話を聞いていたので、それより、全然大丈夫だからと、そんな感覚です。


そのお父さんは、そのまま仕事をしつつ、奥さんに促されて、さすがに病院に行ったそうです…。


やけどには、さすがに、自宅にあるジェルを塗ってはいますので、そのまま、自然に治ると思いますので、皆様、ご心配なく。


そんなことより、そのおばあちゃんに、自分を認めてくれていることを、あらためて感じられて、うれしい気持ちでいっぱいです。