マンガ夜話を100エピソード以上見てると、レギュラー陣の性格、人間性は十分に見えてくる。

 

まず、説明が楽な人から。

 

夏目房之介。全体の調整役。さらに、発言への信頼感はかなり厚い。夏目さんが言うなら信じよう、みたいになる。キツい発言は少なく、むしろ他者の悪口とかのフォローに回ることが多い。逆に言えば、あんまり本音は言わないのかも。よく言えば非常に評論家としてフェアな立場をとり、好き嫌いの話はしない。あくまで、漫画論的に、是か非かだし、さらになるべく悪口は言わず、優れている点を言及する。全体の緩和剤みたいな機能を果たす。

 

岡田斗司夫。ただの漫画オタク、というよりSFオタク。だが、話し方、論じ方は人を引き込むものがある。人の話をぶんどって、自分の話を展開することが非常に多い。自分の嗜好の漫画ならばかなり詳しく読み込んで鋭い指摘ができるが、基本的に少女漫画に対しては軽んじている。あと、女性漫画家そのものに嫌悪感を抱いているし、生意気な女は嫌い。レギュラー陣の中では替えの利く位置。ただ、独善的意見や独断的反論を臆せずも言える気質は番組の風土に合っていたのだろう。

 

いしかわじゅん。かなり辛辣なことを言う。まず、言わなければならないのは、かなり損な役回りであることであり、それを本人は承知したうえで引き受けていることは評価できる。だって、悪口言って視聴者から文句来るんだから、本当なら言いたくないだろうけどね。でも、漫画を褒めるばかりだとつまんないので、あえて悪口を言っている部分は絶対にある。彼がいなかったら番組は何の面白味もなかったろう。だって、同業者批判ですからね。ほとんどタブーですよね。だって、評論家が貶すのはいいじゃん。でも、漫画家が漫画家を批判すると、マジゲンカになっちゃうでしょ。問題は、いしかわじゅんの漫画が売れていないことであるwww誰もこいつを漫画家として認知していないので、「おっさんが何文句言ってんだ?」となる。これが売れっ子作家だと説得力もあるんだけどね。で、番組の後期になると自分の話している最中に他者が割り込もうとしたときに「ちょっと待って。最後まで言わせて」という回数がぐっと増える。ほぼ毎回言ってる。これは彼の自意識が肥大した、つまりは「俺は漫画を論じる資格がある」という風になったのだろうか。それは甚だしい勘違いだが。

 

大月隆寛。実は一番の問題人物。まず、女性に対する凄まじいミソジニーを抱いている。そして隠れホモである。おそらく、思春期には同級生の女とうまく会話できなかったタイプなのだろう。それをラグビーすることで男性的肉体の鎧を身に着けたことで、「これで俺も女と対等だ」と自信をつけたのだろう。しかし、時代はバブル経済全盛で、同世代の女はディスコにクラブにブランドに浮かれていて、またしてもうまく付き合えなかったのだろう。つまりは「自分に合う女はいない」とか「自分が好きになる、あるいは好きになってくれる女はいない」という意識にまみれており、それが転じて、女性への嫌悪になっている。なので、女性アシスタントには基本的に冷たく、ゲストの女性にも手厳しい。態度が冷たいのだ。それは「冷たくすることで気を引く」という低級のコミュニケーション不全なのだ。なので、彼の女性への態度を見ていると、自分の思春期を見せられてるみたいで恥ずかしい。