ジャン・ルノワール監督。

私は歴史的意義、映画史的教養という意味で、ジャン・ルノワールはそこそこ観てます。

それこそ代表作といわれる『ゲームの規則』『ピクニック』『草の上の昼食』『トニ』とか。15本くらい観てるんじゃなかろうか。

でも、心底面白いと思ったものは皆無。

まあ、時代が違うし、ストレートに感心できないのも仕方ないのか。

なにより、コイツの映画は男女の色恋が多すぎる。

しかもそれがストレートな若き青春の恋、ではなく、浮気、不倫、またはレイプ、レイプからの女が惚れる、みたいなあまりに前時代的なテーマに辟易してしまうのだ。

 

で、この映画は冒頭10分で、「これって、フリッツ・ラングの『緋色の街』と似てるな」と思って調べたら、向こうが本作のリメイクということ。

で、結論から言えば、フリッツ・ラングの方が映画ウマイ!

圧倒的!

つーのも、この映画の醍醐味である、「女とヒモの関係がバレる」と「女を刺殺する」シーンが描写されてないのだ。

あくまで事後の描写だけ。

なので感情的にハラハラする場面を描いてない時点で、なんだかなー。

その点、ラング版はばっちし描けていた。

それに、絵を描くシーンもきちんとあって、ちゃんと納得いくというか、ラストのオチもラングの方がよい。

 

結論、ルノワールは死ね!