宇多丸のラジオで、コンバットRECなる男が「中学生のときとか、トラック野郎に夢中でしたけどね」と言っていた。

 

なので、試しに視聴。

 

基本的にはコメディ。

でも、意外と深いテーマにちょこっと触れています。

 

まず、長距離トラック運転手の労働問題。

今でこそ、トラック運転手の長時間労働、過酷な勤務スケジュールが問題になり、全国で運転手が不足する事態になってます。で、この映画でも、過剰積載だとか、スピード違反のトラックが検挙されるんですが、運転手は「こんなことされちゃ食い上げだ」と嘆くんです。つまり、そもそも、長距離トラック輸送というロジスティクス自体が、内在する大きな問題なんですよね。ようは法律なんか守ってたら仕事にならねえ!ってことなんですよ。おそらく、法定速度を守る前提でスケジュールも組んでないでしょうしね。

 

あとは、交通事故による過失致死、遺族に対する賠償。

たしかに、被害者は最大の犠牲者なのでしょうが、損害賠償をする側にも立場というか、言い分はあるわけで。

かなり根深いし、センスティブな問題です。加害者が貧乏人で、被害者が大富豪。そりゃ、貧乏人でも賠償しなくちゃいけないですけど、大富豪からすればそんな金額ははした金でしかなく・・・。

 

あと、取り締まる警察をちょっと揶揄するみたいな表現は、今は絶対に無理ですね。今の時代ほど清く正しくを求める時代はないですよね。偽善ですよね。お前らだってスピード超過してっだろって。

 

ストーリーの構造は、思いっきり寅さんと同じですね。

まあ、渥美清ほどの技量はないですけど、面白かったです。

 

あと時代的に、こういう暴走モノが流行ってたんですかね?

『ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー』とか『バニシング・ポイント』とか、『コンボイ』とか。