大好きな映画。そんで、2回目の視聴。

私はとにかく、ジーナ・ローランズが大好きで。あの顔が好きで。

離れ目の感じね。やっぱりシモーヌ・シニョレに似てますよね。姉御。

 

で、私はカサヴェテス信者でないですが、ジーナ・ローランズ見たさに、彼の作品を観てます。

ただ、彼の作品だとジーナはことごとく可哀そうな役ばかり。まあ『オープニング・ナイト』は例外。

この『グロリア』は唯一と言っていいほど、強い彼女を見れるので貴重。

 

まず、演出は相変わらず最強クラスの手腕ですよね。

マフィアのボスの元情婦なので、マフィアから命を狙われるものの、ちょっと相手からビビられてるんですよね。

グロリアがタバコを咥えると、さっとライター出しますしね。昔の関係性がまだ体に染みついてるんですよね。

ガキがグロリアのカバンを持ったり、生意気なこと言ったり、このガキが「大人の男」になろうとしてる様が分かりますよね。

 

で、最も良いのが、この映画は『レオン』の元ネタでありつつ、決してウェットな手触りではないところですよね。

グロリアが泣きながらガキを抱きしめて「私が命をかけて守るわ」なんて言いません。

ちょっとした言葉尻とかで二人の関係、その変化を表現してます。

このやや突き放した感じ、ドライな感じが良い。硬質な感じ?

 

この映画、2回目観ると、相当な荒唐無稽ですね。

まあ、現実離れしてる。でも、やっぱりキャラクターが現実的、魅力的なので、バカ映画っぽさを感じないですね。

一番いいのは、グロリアとガキがずーっと仲良くないってところですよね。そう簡単に仲良くならないところが良い。

これがアホ監督だと、すぐに仲良くして感情移入させて、泣かせにかかるんでしょうけど、カサヴェテス師匠は絶対にやりませんよね。『アメリカの影』とか『フェイシズ』見れば、そんなことやるわけない。

 

グロリアの言ったことをマネする、とかで子供の懐き方を見せるのもベタだが、やはり良い。

 

また、最後エレベーターを銃撃する際に「マグナムを持ってこい!」と言うのは、映画において初の意味のあるマグナム銃の使い方である、と町山氏が褒めてましたね。

そもそも、マグナム銃って威力やばいですから。人を撃つ銃ではないです。人を撃ったら本当にグシャグシャになります。猟銃ですから。象とかサイを撃つ銃ですからね。

 

いずれにせよ、この映画はやはり生涯ベスト級の一本であることが再確認出来て嬉しかった。

ジーナ・ローランズ、最高。