92年にビデオ作品として出た、原点回帰の仮面ライダー。
かなり、シリアス調で、ヒーローとしては描かれない。
もともと、仮面ライダー自体はバッタと融合された人造人間であり、本質的には「怪人」と同じである、という視点で作られている。
さらに、見た目が醜いため、その姿を隠すための「仮面」が必要なのだ、ということらしい。
ちなみに、この作品で仮面が被りませんけどね。
まあ、ビデオということで予算も少ないんでしょうがショボさを感じつつも、頑張ってると思います。
こだわりは感じます。特に、変身シーンは、ジョー・ダンテとか、ジョン・カーペンターとかの感じですよ。ええ。
脈打ってる感じとかもイイですね。
なので、この作品を観た後だと、庵野秀明の『シン・仮面ライダー』に対して逆説的に不満が出てきます。
これをリメイクしてくれよ!と思っちゃいますね。
ただ、昨今のトレンドで「オリジンものは当たらない」というのがあるらしい。
つまり、「ヒーロー誕生を描く」のがダメらしい。
マーベルでいえば、スパイダーマンが誕生の過程をすっ飛ばしていきなりスパイダーマンになるところから始まってたでしょ、トム・ホランド版は。
あれは、まどろっこしい、ヒーロー誕生を省略していきなり大活躍することろから作ったのは、ある意味では今の観客が我慢できないんでしょうね。