ピエル・パオロ・パゾリーニ監督。

 

映画の紹介文には「息子を想う元娼婦の母親の奮闘」みたいな感じだったけど、実際は「子離れできないムスコン母親の過干渉が引き起こす悲劇」である。

そもそも、16歳にもなる息子とタンゴを踊るってのはいかがなものか。男女のダンス、その中でもタンゴは「セックスの代替行為」であり、かの傑作『暗殺の森』でも印象的に出てくる。

つまりは、遠回しに近親相姦を匂わせている。

 

あと、ムカツクのが息子の顔。可愛くねえ顔してんだわ。なんかね、タランティーノと染谷将太を足した感じ。

ムカつく殴り殺したいような顔してるんですわ。死ね!!!!!!!!!!!

 

母親は息子をどこかに預けて娼婦として金を稼いでいた様子。

で、ひと段落着いたので、ついに息子と一緒に暮らすことに。

で、そこからまあ、過干渉、過干渉。

息子の交友関係に口は出すは、女に興味を持つと「あの女はダメだ」といって、知り合いの娼婦に頼んで童貞卒業させる。

あり得ますか?いってみれば何も知らない息子に風俗嬢をアテンド・上納したんですよ。これ、性的虐待でっせ。

 

さらに、娼婦時代にヒモで飼っていた男がいるが、こいつが17歳年下。

明らかに、会えない息子の代理として接していることが想定され、近親相姦感がさらに強まる・・・。

 

なので、どう考えても、母が息子を思いやるハートフル映画、ではない。

断じて、ない。そもそもパゾリーニがそんなモン作るわけねえだろ!

 

イタリアの売春って、やっぱあんな感じなんですね。道ばたに立って、男に声をかけるって感じ。

ベルトルッチの『殺し』とかフェリーニ『カビリアの夜』でも出てきますもんね。