今更ながら、「ドラ泣き」と言われたこの映画を観ました。

でね、そりゃね、涙がこみ上げるシーンもありました。

ですが、これ、非常に多くの人が勘違いしてる点ですが、「感動する≠泣ける」、「泣ける≠良い映画」ではないということはくぎを刺しておきたい。

 

というのも、天下のドラえもんである。

それをフル3Dでアニメ化したのが今作。しかも、ストーリーは原作マンガ、週間アニメの中でも傑作の部類に入るエピソードのより集めである。つまり、毎年の長編アニメのオリジナルとは違うという点。

ある意味、原作マンガ・アニメの「再現」である。

 

あのね、この映画が2014年でしょ?

その時代に、あえて、ドラえもんを作り直したわけでしょう?それなのに、やってることが、原作マンガと同じってのはいただけないんじゃないですか?それって、ただ、「直した」だけじゃん。

今風の解釈とか、アレンジを入れなかったら、「作って」ないじゃん。「直した」だけ。

なので、この映画は、人気エピソードを再アニメ化して金稼ごうという、シケたモチベーションの映画です。

 

だってさ、今の時代に「しずかちゃんとの結婚=幸せ」ってないんじゃないの?

しかも、この映画の中で、「のび太、頑張ったな!」って思えるシーンありましたか?

全部、利己的な考えで自己犠牲なんてしてないし、自分を高める努力もしてないでしょ。

だから、この映画が子供向け映画という前提で言えば、教育に悪いよ。

 

そもそも「ドラえもん」というキラーコンテンツの最大の弱点である「甘やかし」とか「スポイル」ということを、いまだに克服せずに垂れ流してるのはいかがなもんでしょうかね?

誰も、劇中で、真剣にのび太を叱らないじゃない。マジで甘やかされてるだけだし、しずかの男を見る目がないからのび太と結婚したとしか思えない。

 

あと、「感動≠泣く」ということも念押ししておきたい。

文字通り、感情が動く、と書いて感動。なので、感情って、泣くことだけですか?

笑う、楽しくなる、明日からのパワーが湧いてくる、逆に落ち込む、悲しむ、怒りを覚える、とかそういったものも広義の感動なんですよ。

 

なので、私、この映画を90分かけてみるくらいなら、さくっとマンガ読めばいいやって思うんですけど。